4 (慶安四年 七月四日)女の殺気を感じ柘榴も身構えた。しかし女はその場にただ立っているだけだ。「江戸のくノ一、殺してしまうには惜しいほどの女よのう」「おまえさんの思い通りにはいかないよ」投げる仕草もなく柘榴の手元から伸びた鎖、それが女の右手首に絡み付き、二人の間でピンと張りつめた。。「それはどうかのう、威勢のいい女を弄ぶのもまた一興……」「何だって……」その言葉を言い終わらないうちに、柘榴の体が痺れ...