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あなたの燃える手で

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Categoryアンティークドール 1/4

アンティークドール

16カーテンを開けると、窓の外は一面の雪だった。「うわぁ、ホワイトクリスマスだぁ……。でも、どっから夢? 確かあの骨董屋でアンを見つけて……、不思議な老婆がいて……」あたしは雪道を歩いて『ZOLA』に行ってみた。もしかしたら、あの骨董屋も夢の産物かと思ったからだ。でもあの路地には確かに骨董屋があって、近づくほどに読めるようになる、『ZOLA』と書かれた看板も同じだった。「やっぱり、ココは夢じゃなかったのね」そし...

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15「良くなかった?」あたしは老婆の顔を見た。「それからあたしは、日本に来て骨董屋を始めたんだ。すると良くできたこの人形を欲しがる客もいた。あたしにとっては形見の人形だから、初めは売ったりしなかったんだよ。でも当時は貧しかったからねぇ、とうとうこの人形を手放さなければならないときが来たのさ」「えぇ、それで……、手放したんですか?」「そう、ある人にこの人形を売った。でもね、その人は数日もするとこの人形...

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14クリスマスの午後。あたしはアンを紙袋に入れると、自転車で『ZOLA』に向かった。「もう少しその子を部屋に置いておやり」ってあの老婆は言ってたけど、やっぱりあたしには無理。もうアンとは一緒にいられない。こうして見るアンはとても綺麗で可愛くて、返すのはなんとなくかわいそうな気もするけど、でももう耐えられない。あたしは気が変わらないうちにと、自転車のスピードを上げた。店に着くと、あたしは紙袋からアンを出...

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13「でも、まさかそんなコト……」「お嬢ちゃんがこの子を買うときに、あたしは念を押したハズだよ。本当にこの子でいいのかい? ってね」そう言えばそんなことを言われた気もする。でもあの時のあたしはこの人形が3000円で買えるのが嬉しくて……。それにこんなコトが起きるなんて予想できるはずもないし、根本的にあり得ない話だと思う。「その子はお嬢ちゃんのコトが好きらしいよ」「えっ?」「こんなはコトは珍しいよ。本当は人...

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12クリスマスイブの朝。今朝も出窓に座って、アンはあたしを見下ろしている。そんなアンの青い目を、あたしはベッドから見つめ返す。思い切って起き上がると、出窓のアンの両脇に手を入れて持ち上げた。そしてその目を覗き込んだ。「やっぱり、やっぱりアナタが来てからよね、アン」ガラスで出来ているのか、その青い瞳は宇宙のように深い光を湛えている。「あたしね、最近イヤラシイ夢ばっかり見るの」そんなあたしを、アンはな...

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土