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あなたの燃える手で

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訪問販売員 梨々香 2


店のカーテンを閉め、ドアに鍵を掛けると、わたくしたちは、窓の少ない店
内の一番奥へと移動したのです。

ソコはベンチシートのように長いソファに、二人掛けのテーブル席が三つ並
んでいました。
わたくしがバッグをソファに置くと、加納様と目が合いました。
「で、どうすればいいのかしら……」
「それでは加納様、取り敢えず下だけでも全部脱いでいただいて……」
「全部? 脱ぐの……?」
「はい、全部お願いします」
「わかったわ、全部ね……」

加納様は少し恥ずかしそうに、それでもすべて脱いでくださいました。
ズボンの下から現れた脚は、柔らかうな肉がしっかりと締まり、太ももから
足首にかけ、緩やかな逆三角形を作っておりました。
服の上からでも分かるくびれた腰、豊かな胸、そしてお顔は日本人離れした
ハーフ顔。ちなみにご本人曰く、100%日本人だそうでございます。

立ったまま恥ずかしそうに両手で前を隠した加納様に、わたくしは口紅を渡
しました。
「思ったより軽いわね」
「はい。どうぞ、スイッチを入れていただいて……」
加納様はその場で立ったまま、口紅を出すように本体を捻りました
「あっ、細やかな振動が……。でも静か。音がほとんどしないわ。なるほ
ど、コレなら外のトイレでも、隣を気にぜず使えそうね」
「はい。静粛性も売りでございますから。まずは一番弱くしてアソコに」
加納様の右手が、股間を隠している左手の下に伸びると、口紅がソコに当た
ったのでしょう。すぐに加納様の腰が "ビクン" と引けました。
腰が引けた加納様は、思わず片手でテーブルに掴まりました。

「あぁぁん、イイィ~。それにコレ、この柔らかさがイイわぁ……」
「はい、ソノの部分は乳首。それも "コリコリになった乳首" 、と同じくらい
の硬さにしてございます……」
「あぁ~ん、イイわぁ、この硬さ……、ホントにイイ。絶妙ぉ~」
「ありがとうございます。どうぞ、バイブをお好きな強さに……」
「この一番弱いのでもイイかも。これ以上強くしたら感じ過ぎちゃう……」
加納様はそれでも微妙に強弱を変えておられました。
「あぁぁ~イイィ、コレイイわぁ~。コレを持って出かけたら、トイレばっ
かり行っちゃいそうぅ」
「うっふふっ。お気に召されましたようで、なによりでございます」
「では、次にバキュームをお試しいただいて……」
「あぁ、そうね、バキューム……。でもなんだか怖いわぁ」
「任せくださいませ。この機能は是非ともお試しいただかないと……」
「そうよねぇ」
「はい。そのように柔らかな素材ですので、決して痛みを感じるモノではご
ざいません。感じるのは、かい・かん、だけでございます」
「ソレは分かるけど。あぁ~ん、でももうコレだけでっ、あぁぁ~イイィ」
このままではと思い、わたくしは意を決したように言ったのでございます。

「加納様。どうそわたくしの膝の上で、横におなりくださいませ」
「膝の上で……?」
「はい。お尻が膝にくるように……」
わたくしは一旦口紅をお預かりすると、加納様のお尻が膝の上にくるように
調整しました。
「では片足をテーブルに乗せて頂いて……」
「こ、こう……? あぁ~ん、恥ずかしいわぁ~」

加納様は開いてしまった股間を、また両手でお隠しになられました。


訪問販売員 梨々香 2


 "PRIVATE" と書かれたドアから、暖かそうなダウンを着た響子ちゃんが、
トートバッグを持って出てきました。
「それでは、お先に失礼しまぁ~す」
「はい、お疲れ様……」
「お疲れ様です。またの出会いを……、期待しておりますわ」
「こちらこそですぅ。それでは……、失礼しまぁす」
響子ちゃんが店を出ると、さっき掛けた "CLOSED" の札が揺れました。

わたくしは改めて加納様に向き合いました。
「本日お持ちした商品は、 "コレ" でございます」
わたくしはバッグから、ご注文の品をテーブルに置いたのです。
「コレ? コレがそうなの……?」
ソレを手にした加納様が、首を傾げるのも無理もございません。なぜならソ
レは、見た目は口紅そのものだったからでございます。
「コレって、口紅……?」
「はい、見た目は確かに口紅でございますが……。どうぞキャップを外して
いただいて……」
加納様がそのキャップを外すと、中には通常の斜めになった先端の口紅が現
れたのです。
「えっ? ホントに……」
「よくご覧ください。先端の中心に丸い穴が空いてございます」
「あっ、ホント……」
先端の斜面になった部分に、確かに丸い穴が空いている。
「ココに……?」
「はい。 "ソコに" でございます。しかもバキューム機能、更にはバイブレー
ション機能も付いてございます」

今回の加納様のご注文は、 "クリ用バイブ" でございました。
今回お持ちしたこの口紅型バイブ、その大きさから、携帯性は抜群でござい
ます。周囲の目も気にせずバイブを持ち歩け、車の中、公衆トイレ、もちろ
んご自宅でも……。様々な場所でのご使用が考えられます。
機能といたしましては、まず口紅を押し出すように回して、スイッチオン。
そのまま回していくと、バイブが徐々に強まって参ります。
特筆すべきはバキューム機能でございまして、先端の斜めになった部分の穴
にクリを入れ、本体のお尻をシャーペンのように押しますと、バキューム
が、 "ON" となり、もう一度押して "OFF" にするまでクリを吸い続けます。
誰もいない店内で、そんなご説明を、加納様にさせていただきました。

「小さいのに、なんだか凄そうね……」
「はい、クリを吸われながらのバイブレーションは、それはもう……」
「そう、そうよねぇ。それを試せるワケね」
「もちろんでございます。その為にこうして参っておるようなワケでして」
「そうよねぇ……」
「いかが致しましょう。お試しになられますか? 先ほども申し上げた通
り、携帯性が抜群でございますから、こういったお仕事後のリフレッシュに
も、大変重宝されるかと存じます」
すると加納様は、それほど悩む風でもなく、いえ、元々そのつもりだったか
のように仰ったのでございます。
「試してみたいわ」
「わかりました。それではご使用方法のコツなどをお教えしながら、お手伝
いさせていただきます」

加納様とわたくしはお店のカーテンを閉め、ドアに鍵を掛けました。そして
窓の少ない店内の一番奥へと移動したのです。


訪問販売員 梨々香 2


2021 クリスマススペシャル

訪問販売員 梨々香 2
ー機械仕掛けの口紅ー


PROLOGU
皆様、大変ご無沙汰しております。
訪問販売員の『百合川梨々香』でございます。月日が流れるのは早いもの、
で、皆様にお会いしてから、もう二年が経ちました。
ですのでもう一度、わたくしの簡単な紹介をさせて頂きます。

わたくしの扱っている商品は、俗にいう "大人のオモチャ" でございます。
大人のおもちゃの訪問販売? と首を傾げる方もおられるでしょう。
なぜ訪問するのか? と。それはご購入前に一度お試し頂いてから、との思
いからでございます。
服でいえば、 "試着のようなモノでございましょうか。
扱う商品の特性上、長さ、太さなどのサイズ、また動き方やその強弱など、
様々でございます。
購入後、使ってみて合わないでは、少々悲しいかと……。

申し遅れましたが、わたくしレズビアンでございまして、訪問するお客様は
女性のみとさせて頂き、お客様にもその旨ご了解頂いた上でのご訪問、とさ
せて頂いております。



さて今回のお客様は、夢の森という街で『カフェ・アマデウス』を経営され
ておられる、この店のママ、『加納良子』様でございます。
ご年齢は四十路の坂を登り始めたくらいというコトで、女の盛りでございま
しょうか。
購入動機としては、 "オナニー用" としてはもちろんでございますが、実は加
納様、お店でアルバイトをしている女子大生の "響子ちゃん" という子と関係
があるらしく、折を見てはこの子とコッソリ楽しんでおられる。というコト
でございます。
その際は加納様がMというコトで、今回Sのわたくしとは相性がよろしいよ
うでございます。
ちなみに、今回のご訪問は "響子ちゃん公認" でございます。

『夢の森駅』のホームに降り立つと、12月の風が頬を撫でてゆきました。
わたくしはコートの襟を立てながら、足早に改札口へと向かったのです。
加納様から聞いた道順に沿って、わたくしは改札口から、西口、バスターミ
ナル、幹線道路、と歩いてゆきます。幹線道路で赤信号に捕まると、言われ
た通り、道の向こうに商店街が見えます。そしてその入り口近くに、『カフ
ェ・アマデウス』と書かれた看板が見えたのです。
「あぁ、あそこね」
足元で渦を巻く風を見て、わたくしはコートの前を合わせ直しました。

お約束の時間は閉店間際の時間でございまして、店に入ると客はわたくし一
人でございました。わたくしが二人掛けの小さなテーブル席に座りますと、
すぐに、脚の綺麗な女の子がオーダーを取りに来ました。
「いらっしゃいませぇ‥…」
この子が響子ちゃんね、と思いながら、あたくしは訪問の旨と、コーヒーを
注文しました。
彼女はすぐに湯気の立つコーヒーを運んできてくれました。
「はぁ~い、コーヒーでぇす。ママ、すぐに来ますから……」
「すみません……」
そう言って軽い会釈をしたわたくしに、響子ちゃんは言いました。
「あのう、梨々香さん……、大人のオモチャの訪問販売してるんですよね」
「えぇ、変わってるでしょう? いつも珍しがられるの」
誰もいない店内で、響子ちゃんは "大人のオモチャ" はなぜか小声でした。
「このお店、ホントに色々な人が来るんで、つい……。すみません」
「いいですよ、別に、お気になさらずに……。あなたが響子ちゃん?」
「はい。そうです」
「そう。やっっぱり……。で、このお店、そんな色々な人が‥…?」
「はい。東口にある大きな病院の院長先生と婦長さんとか、ついこの間は、
女で春画師になった、ナントカっていう人が……、えぇっと……」
「あぁ、記者会見、テレビで見ましたわ。確か双葉……、とか」
「そうそう、その人が、ちょうどこの席に……」
「まぁ、そうなんですか?」
「はい。そうなんです。あっ、ママがきました」
彼女が振り向いたその先に、会釈をしながら歩いてくる、加納様の姿が見え
ました。

「いらっしゃいませ。加納です」
「百合川梨々香です。よろしくお願い致します」
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
そういいながら、加納様はわたくしの前に座ったのです。
響子ちゃんが加納様のコーヒーを、彼女の前に置きました。
「そうそう、閉店の札、ドアにお願いね。今日はもういいわよ。お疲れ様」
「はぁ~い。それでは、ごゆっくりどうぞ……」

響子ちゃんはドアの外に "CLOSED" の札を掛けると、帰り支度をするので
しょう。奥の "PRIVATE" と書かれた部屋に入っていきました。



蛍の言の葉


       ー蛍の言の葉ー

蛍の言の葉はお知らせや予告、作者の近況などをお知らせします。


□ あとがき


『春を画く』の連載が終了しました。

後半はちょっとミステリー風味になりました。

このブログでキャラが死んだのは、初めてかもしれません。


結末は何パターンか考えましたが、できるだけ意外性のあるもの

をと、この結末を選びました。

たまにはこんな感じもいいかな、と自画自賛……。



□ お知らせ


さて次回作は、 “2021年クリスマススペシャル” としまして、

あの訪問販売員の登場です。

 “あの” といっても、もう前回の連載から二年以上が

経ってしまいました・・・。

というワケで、プロローグは1作目のソレをかなりなぞった

感じになっていますので、前作を読まれた方は、

「あぁー、コレかぁ〜」と思い出していただける・・・? 

かと思います。

タイトルは、『訪問販売員 梨々香 2 機械仕掛けの口紅』です。

ちなみに、今回の訪問先は『アマデウス』となっております。



□ 予告



加納様の右手が、股間を隠す左手の下に伸びると、口紅がソコに

当たったのでしょう。すぐに加納様の腰が "ビクン" と引けました。

腰が引けた加納様は、思わず片手でテーブルに掴まりました。



『訪問販売員 梨々香 2 機械仕掛けの口紅』は、

 12月1日(水)スタート
となります。

お楽しみに。




春を画く

 32 最終話
あたしは腰を折り曲げ、真下を覗き込みます。
その瞬間、あたしは後ろから力強く突き飛ばされたのです。


あたしの前には十数人の記者が、その後ろには三脚に乗ったカメラの砲列が
並んでいる。砲列の後ろには、中継用のテレビカメラも数台あった。
絶え間なくフラッシュが焚かれる中、あたしは微笑を絶やさなかった。

「先生、これからはあなたが "十六代目 千手無空" となるワケですが、今の
心境を……」
目の前に並んだ幾つものマイクに向かって、あたしは口を近づけた。
「春画という狭い世界ながらも、それなりの重責を感じております」
「先代とはディテールが違うというコトですが……」
「違うのはディティールだけではありません。全体のタッチ、表現、色使
い、全てが違います」
「それは全くの別物……、というコトですか」
「はい。そう取ってもらって構いません。でも決して先代に負けるとは思っ
ていません」
「あなたにとって先代 "十五代目 千手無空" とはどういった存在ですか」
「 "全てにおいて超えなければならない存在" だと思っています」
「先代とそれを助けに行ったモデルが二人とも、という今回の悲しい事故に
ついては……?」
「はい、どうして警察に通報せずに自分で……。せめてあたしに連絡してく
れればと……。それだけが悔やまれます」
「そうですよねぇ。先生がバルコニーから転落した数日後に、モデルさんも
なんて、典型的な二次災害ですよね」
「はい、でももう二人は戻ってきませんし。とにかく前を向いて頑張ってい
くしかないなと、思っています」
「なるほど、新たな女春画師の誕生ですね……」
「はい、そう言って貰えると嬉しいです。それから、あたしの雅号ですが、
"十六代目 千手無空" ではなく。 "双葉" でお願いします」
「双葉……? 本名ですか」
「はい。先ほども申し上げた通り、あたしの絵は先代とは全くの別物ですか
ら、雅号も、本名の "双葉" を使っていきます」
「それが亡くなった二人への手向けになると……」
「そうですね、手向けになるか分かりませんが、無空先生も、鏡空と名乗っ
ていたあのモデルの人も、許してくれると思います」
それから数十分、記者達の質問は続いた。

記者会見会場からの帰り、あたしはタクシーで夢の森商店街に来た。
そう、全てはあのアマデウスというカフェから始まった。
今、新たな人生の再出発の場として、もう一度あの店の、できれば同じ席に
座ってみたかっった。

アマデウスでは、思い出のあの小さなテーブル席に座ることができた。
あの日と同じ、脚の綺麗な女の子がオーダーを取りに来て、あたしはコーヒ
ーを注文した。
女の子はすぐに湯気の立つコーヒーを運んできた。
「はぁ~い、コーヒーでぇす」
「ありがとう……」
その時、厨房から「響子ちゃん、エビピラフお願い」と、この店のママさん
らしき声が聞こえた。


EPILOGUE 
「あなたが悪いのよ。あなたが強引に千手無空に弟子入りなんてするから。
本当はあたしがするハズだったのに」

絵だって全然負けてないのに、同じ美大でいつも注目を集めるのはあなた。
あたしはいつもあなたの影。あなたはあたしの顔も覚えていなかった。
だからあたしは女の少ない春画の世界に飛び込もう思った。そこならあたし
でも目立てる、注目されると思って……。でもあなたは、そんなあたしの邪
魔をするように弟子入りしてしまった。
もう邪魔されるのはたくさん。あたしの前から消えて無くなれ……。
いつも思ってた。
そんな時、あなたから無空先生殺害計画を聞いた。コレを利用しない手はな
いと思った。コトは驚くほど首尾よく進んだ。

いつまでも歩いていけるのだろうか? 人を二人も殺めて……。
あたしはきっと、この栄光が終わるのを怯えながら生きていくのだ。
光を浴びた影は、何よりもその光が消えるコトが怖いのだ。

そしてあたしの行き着く先は……、地獄。
そこではきっと、春画以上の責めが永遠に続くのだろう。

コーヒーをクルクルとかき回し、クリームが渦になるように垂らしていく。
一瞬綺麗な形を作ってはすぐに消えていく渦を、あたしは見つめていた。


ーENDー



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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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