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あなたの燃える手で

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Archive2010年09月 1/1

こちら夢の森探偵社

13ホテルクイーンホリデーの18階には、何軒かの飲食店が入っている。『Bar MELLOW BLUE』もその中の1つだった。リンダはエレベーターの中でカツラとモスグリーンのシャツを脱いだ。それらを手早く帆布のバッグに入れ、何食わぬ顔でエレベーターを降りた。辺りを見回して奈美と学生の姿を探すと、2人は飲食店の前を素通りし、廊下を奥へ奥へと歩いていく。リンダも距離をおき、廊下を奥へと進んでいった。やがて1番奥に、青い...

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こちら夢の森探偵社

12その日の夕方、リンダは女子トイレで黒髪のカツラを外した。ヘルメットを脱いだ女性ライダーのように、頭を振って赤い髪をほぐす。「ふぅー、涼しい、そうだエマさんに……」リンダは携帯を出すと、エマにメールをした。>学食のカレー、ホントに甘かったですぅ。あれはお子ちゃまカレーですね。>それとあの北島奈美っていう人、全然怪しいトコロないんですけど。>どうします? まだ続けますか? 彼女そろそろ帰ると思うんで...

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こちら夢の森探偵社

11池の周りのにいた学生達が、校舎の中へと消えていく。「昼休み、終わったみたいですね。エマさん」「うむ、今から午後の講義だ」昔を思い出しているのか、エマは目を閉じたまま扇子で顔を扇いでいる。「あっ、学長室のカーテンが開きましたよ」エマは学長室をチラリと見た。「あれが学長の雪柳琴美だ。判る人には判る妖しい雰囲気を持っている」「って言っても、ここからじゃ顔も見えませんし、雰囲気も判りません」「そんなも...

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こちら夢の森探偵社

10シトロエンは四角いブレーキランプを光らせて、夢女の正門前で止まった。決して涼しいとは言い難い車内から、エマとリンダはキャンパスを覗いた。車内からでも見える池の周りのベンチに、数人の学生が座っている。「ここが夢女だ。今はちょうど昼休みだな」「20分くらいで着きましたね」エマはどこからともなく扇子をだすと、それで顔を仰ぎ始めた。もう顔はキャパスを見ず、正面を向いている。「校舎の5階、最上階の真ん中に...

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こちら夢の森探偵社

9雪柳琴美は、昔から女にしか興味がなかった。それは夢女(夢の森女子学園大学)の学長になってからも変わらなかった。彼女は過去に2度、結婚も経験している。しかし、世間を欺く為の仮面をつけた夫婦関係がうまくいくハズもなく、どちらも3年以内に離婚してる。そんな琴美の前に、北島奈美が赴任してきたの偶然だった。琴美は奈美の性癖を見抜き、夫と離れて暮らしている奈美に近づいた。2人の間に共通の秘密が出来るのに、1...

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こちら夢の森探偵社

8「変わった車乗ってたんですね、エマさんって……」「なかなか味があるだろう、シトロエンっていうフランスの車だ」「なんだかブリキ細工みたいな感じですよね、この車」「ブリキ細工? あぁこの名車も、君の目にはそう映るのだな、リンダ」エマはハンドルから手を離し、両手を広げた。「あぁ、危ないっ、危ないから。ちゃんとハンドル持ちましょう、エマさん」エマはクラッチを踏むと、ギアをシフトアップした。「オートマじゃな...

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こちら夢の森探偵社

7奈美は添い寝の状態から、半ばエリの右半身にのし掛かった。右手はエリの股間に伸び、まだ堅い蕾をこじ開けようとしている。「あぁぁ~ん、先生ぇ~、あぁっ、あぁっ、だめっ、だめっ……」エリは両脚を必死で閉じ、左手で奈美の右腕を掴み僅かに抵抗を試みた。右手は奈美の下から背中に回すのが精一杯だ。「もう、ダメでしょうエリちゃん。悪い子はこうしてあげる」奈美はエリの左手首を自分の左手で掴み、彼女の頭の上に押しつけ...

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こちら夢の森探偵社

6エリの部屋は女の子らしい部屋だった。居間と寝室に使い分けた二間は、どことなくピンク色が目立ち、白クマのぬいぐるみも幾つか置かれている。「先生どうぞ、座って下さい」エリはテーブルの椅子を引いた。そしてコーヒーを淹れにキッチンに立った。「エリちゃん、白クマが好きなのね」「はい、動物園で白クマの小熊を見てから好きになっちゃって」キッチンから戻ると、チョット照れたようにコーヒーを奈美の前に置く。「インス...

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こちら夢の森探偵社

5「最後の部屋には、この部屋から直接行くことが出来る」今度は廊下に出ることなく隣室に移った。そこは一番狭い6畳の部屋だった。部屋にはダブルベッドが置かれ、他の部屋に比べ収納が充実している。「この部屋は……」「寝室ですよね」「そう、ここはいわば愛の巣。共に眠り、共に朝を迎える神聖なる場所。漆黒の闇に一条の光刺すその時まで、2人で愛し合うのだリンダ」「 今日イケそうな気が~♪ しますか……? もしかして」そ...

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こちら夢の森探偵社

4エマは910号室の鍵穴に鍵を差し込んだ。ドアを開けると、そこには夏のなごりのような熱気が籠もっている。「さぁ、入るがいい。ここが我らの城だ」エマは体でドアを押さえると、左手を中へと差し入れた。「お邪魔しまぁ~す。うっ、熱っ……」「引っ越しを済ませてから、1週間ほど来ていないからな」靴を脱ぐと、エマが先に立って室内へと歩みを進めた。短い廊下には、バスルームとトイレの他に3つのドアがある。エマが一番手前...

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こちら夢の森探偵社

3エリは誰もいない夢の森商店街を、幹線道路近くまで走った。横には明かりの消えたカフェ・アマデウスがある。しかし目の前の横断歩道は赤信号だった。奈美が言ったように、さすがに駅前は明るい。時折走り去る車のライトが、束の間の安息を心に与えてくれる。終電前のこの時間、駅から出てくる人も少なからずいた。そんな状況にゆとりができ、エリは後ろを振り返った。「もういない? あきらめたかしら……」エリはため息をつくと...

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こちら夢の森探偵社

2「あぁ、やっぱり誰かいる。本当にストーカー? なんで? 一体誰が?」帰りが遅くなると、エリの回りにストーカーの影がチラつく。言葉にならない言葉を胸に納め、エリは商店街の途中から脇道に入ると、平行する裏道に出た。いつもは煌々と明かりを点す夢の森シネマ。その小さな映画館も、今はまるでエリを拒絶するように扉を閉ざしている。映画館の前で立ち止まると、エリは赤いトートバッグを覗き込んだ。持ち手にブラ下がる...

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こちら夢の森探偵社

誰かが後を付けている。「ストーカー?」そんな気がして、若村エリは立ち止まると後ろを振り返った。しかし、24時の夢の森商店街を歩く人など誰もいない。店々のシャッターは閉まり、辺りは深閑とした空気に包まれている。「気のせい? でも、やっぱり……、やっぱり誰かいる」消えない不安を胸に、エリは足早に薄暗い商店街を歩き始めた。こちら夢の森探偵社1殺人的な猛暑もヤマを越え、毎日のように見ていた入道雲も、今は秋の空...

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蛍の言の葉

『蛍の言の葉』は、予告やお知らせ、作者の近況報告などをお伝えします。■お知らせ「クレオパトラの指先」が終了しました。半年ぶりに18禁小説を書きましたが、それが幸いしたのでしょうか。今回は筆がよく走り、当初20話の予定だったプロットが、3話分オーバーしてしまいましたwそして9月5日(日)からは、早速次回作の登場です。タイトルは 『こちら夢の森探偵社』です。『夢の森』の街に、新たなキャラの登場です。今回...

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土