2 吹雪の楽屋に入ると、二人は互いに背中に両手を回して抱き合った。「ずっとこうしたかったのよ、吹雪……」「あぁ、僕もだよ。綺羅……」吹雪が男役の口調で答えると、二人は唇を重ねた。すぐに吹雪の舌が滑り込み、綺羅の舌がそれを出迎える。2枚の舌は絡み合いもつれ合い、やがて後ろ髪を引かれるように唇が離れた。「ねぇ、吹雪。もう一回キスして……」「ここではダメだよ。誰が来るかわからないし。僕達の関係が世間に知れら...