13病院を後にした冬香に、冷たい風がまとわりつく。「あなたを完全に守れるから」真弓の言葉が冬香の中で繰り返される。「守れる……、守れると言うことは……、それはそのまま諸刃の剣。まさか、そう言う意味なの? 真弓……」今も残る診察の余韻。それは淫らな根雪となって彼女の心に降り積もっていく。肌寒い風に包まれながら振り返る冬香の前に、白い病院はただ黙って彼女を見下ろしていた。その日の夜。御堂は帰宅を装いコッソリ...