5御堂はテーブルの冬香を横目で見下ろした。「あの……、院長。チョットいいですか」「なぁに?」御堂は真弓を部屋の隅に呼ぶと、小声で話し始めた。「実は彼女、秋山さんの知り合いのようなんです」「秋山さんって……、さっきの新人?」「はい。何でも昔あの人のピアノ教室に通っていたとかで……」「まぁ、そうなの」「秋谷さんは、ナースステーションで待機させています」「こういうコトに掛けては天才的ね、アナタ」二人の視線が絡...