Archive2007年09月02日 1/1
狩人はバニラの香り
4『アマデウスの二人 2 』「はーい、ママ。コーヒーどうぞ」「あら、ありがとう、響子ちゃん」商店街の通りに面したガラス張りの壁に、薄いピンクのロールブラインドが降ろされ、カフェ「アマデウス」の1日が終わった。今日は客も少なく、1時間早い閉店だった。いつものように店内の照明は半分消されている。響子は隅のテーブルで帳簿を付けていたこの店のママこと、加納良子にコーヒーを運んだ。響子はママの前にコーヒーを置く...
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2007/09/02 (Sun) 20:47
狩人はバニラの香り
3翌朝、先に駅にいたのは明日香の方だった。” 前から3両目の3つ目のドア ”の所で彼女を待った。あれっ、風邪でも引いたのかなぁ? そんな思いが心をよぎる。何気なく辺りを見回す。すると、視界の隅にあの脚が映った。明日香を虜にしたあの脚だ。もう1度視線を戻すと、そこに階段を下りてくる彼女が視界に入った。その瞬間、彼女は明日香に微笑んだように見えた。えっ? まさかっ、そんな。まさかねぇ。明日香はとっさに俯いて...
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2007/09/02 (Sun) 09:55