2『アマデウスの二人 1 』午後10時、閉店後の「アマデウス」。通りに面したガラス張りの壁には薄いピンクのロールブラインドが降ろされ、ドアにはシャッターが降りている。外から店の中は見えなかった。店内の照明も奥の半分は落とされ、ママのいるテーブルのある入口寄りの照明だけが点いている。間接照明のようにママの顔を照らす照明は、日本人離れした顔の陰影を際立たせ、妖艶な熟女の横顔を作っていた。響子は店の奥の厨房...