第17話:浴室 1真紀は浴室に入ると、少し冷たいタイルを歩いた。浴槽に一番近いところに座ると、体に湯を掛けてから浴槽に身を沈める。そして一日の疲れを吐き出すように長い溜息をついた。海百合荘は小さな旅館だ。その為よくある大浴場や、露天の岩風呂というわけにはいかない。それでも広さはどうにか10畳程はあり、その半分が浴槽という作りだ。真紀は湯から上がると、体を洗い始めた。若く張りのある肌を、白い泡が包み込ん...