2その日の昼休み、あたしは咲樹さんに誘われて屋上でお弁当を食べた。先に食べ終わった咲樹さんが、タバコを片手で囲って火を付けた。あたしは咲樹さんのこの仕草が好きだ。「もうすっかり秋ですねぇ咲樹さん。ちょっと寒いくらい。」「そうね。だから誰もいないのかしら? 晴れてこんなに気持ちイイのに」「本当ですよね。みんなも来ればイイのに……」「……ねぇ、真由。ブルームーンの社長の氷見川麗子さんって、この街に住んでる...