22(慶安四年 八月二十日)深夜の江戸に蒼い月が輝いている。三人のくノ一達は薩摩屋敷近くの川沿いを歩いていた。暫く歩くと川沿いに繋がれた、屋形船が見えてきた。三人は誰ともなく屋形船に乗り込んだ。「これで全て終わったねぇ、碧、柘榴」紅蜂が優しく二人に微笑んだ。「まさか四人いたとはねぇ、ちょっと驚いたよ」「何だかあたしばっかり迷惑かけちゃったみたいで……」まだ薄くアザの残る腕を柘榴が見つめた。「そんなこ...