△2 週末の深夜。Bar『MELLOW BLUE』には、2人の女性客がカウンターに座っていた。店内にはジャズサックスの知らない曲が流れている。明美は桜子と呼ばれた彼女に、強烈に惹きつけられた。「ねぇ、L。いいでしょ。もう一杯だけ……」(なんて綺麗な子。それに可愛い声)決して酔っている訳ではなかったが、彼女の目は少々虚ろだった。彼女の前には、空のシャンペングラスと吸い殻が3本入った灰皿、そしてたぶ...