あの店であの子に出会って、すべてが始まった。やっぱりあれは一目惚れだったと思うし、あたしは別に後悔していない。霧が晴れ森が真実を現し、日が昇りあの星座は消えても……。 TRI△NGLE△プロローグ風温む4月のある週末、夜空には星々を押しのけるようにして満月が高く昇り、その下には青白い雲が、蛇のようにその身を横たえていた。「夢の森駅商店街」の裏通りを歩く、一人の女『桐沢明美』。彼女...