其の十四鎌倉の海岸に注ぐ滑川。その橋の下で、百舌と桔梗は互いの股間に顔を埋め、動かなくなっていた。そんな鎌倉における二人のくノ一の戦い、その勝敗は艶魔衆、淫靡衆それぞれの谷に伝えらえていた。艶魔衆の住む艶魔谷。その際奥部に建つ艶魔堂。艶魔衆頭領『無空』が、 "桔梗引き分け" の知らせを受けたのはたった今のことだった。無空は静かに立ち上がると、庭の池の鯉を眺めた。「そうか桔梗。うぬは引き分けか……。引き分...