4霧が薄まっていく。少しづつ、少しづつ。今まで宙を舞う羽のような感覚だった永遠に、上下の感覚が戻りやがて足裏が何処かに触り、ようやく地に降りた立った感じがしてきた。そしてその変化は、永遠の目にも現れ始めた。霧が薄まるにつれ見えてきたのもの、それは石の壁だった。大きな正方形に近い石を積み上げたような壁。しかもその煤けたような汚れ方は、数百年の経年劣化を経たよな重厚感がある。絶対にここ数年に建てられた...