第11話:蜂天寺奥の院 1庄屋の裏庭の蔵で、時江と百合子が痴態を繰り広げていた頃、真紀は暇つぶしに、ブラリと港へと足を向けていた。そこにはまだ連絡船が揺れている。吹き荒れた東風も静まり、海は静寂を取り戻しつつあった。「はぁぁ~、どうしよう。めかくし様も見れないって言うし……。蜂天寺ってお寺には明日行ってみるとして、今日は取り敢えず街を散策しますか」真紀は手にしたカメラで、気ままにスナップを撮り溜めてい...