19「森山蘭。時間です、起きなさい」イングリットの声に蘭は目を覚ました。イングリットは大きな金色の砂の入った砂時計を片手に持ち、ベッドの傍らで蘭を見下ろしている。蘭はベッドから這い出ると、いつものように全裸のまま立ち上がった。いつものようにまるで記憶のない24時間、体には昨日の疲れも、鞭で打たれた跡もなかった。イングリットがドアを開けると、その隙間から煌々とした白い光が溢れた。イングリットの姿はその...