16部屋に甘い香りが漂い始めていた。それは灯された燭台の蝋燭からのものだった。縄に張り付いたまま動けない蘭に、女が歩み寄った。「アナタかわいいわね。あたしのタイプよ」そう言って蘭の肩に両手を置くと、頬と頬をすり寄せるように自分の顔を寄せた。そして熱い吐息を蘭の耳に吹きかけた。「……」女は蘭の耳たぶを甘噛みした。そして舌先がわずかに耳たぶに触れた。「あっ、……」「ふふっ、なぁに? どうしたの?」舌がふれ...