△718階へ上昇するエレベーターの中で、明美は階数表示を移動する明かりを見つめていた。(今夜は誘ってくれるハズよね? 桜子……)「いらっしゃいませ。あらっ」Lは蕩けるような笑顔が明美を迎えると、目配せで桜子の座る席を教えた。明美はLに微笑み返すと、後から桜子の元に歩み寄った。「桜子ちゃん」その声に短くなったタバコを片手に、桜子が振り返る。「良かった来てくれて。待ってたんだ。ねぇ座って」「本当? そう...