† 24 最終話わたしはようやく解放され、ベッドから起きあがりました。その時のわたしには、幼い日の記憶が甦っていたのです。それは紫苑様が蝋燭を持った時、炎を反射して赤く輝いたロザリオがきっかけでした。やはりわたしが昔、母に手を引かれて来ていたのはこの教会だったのです。母はいつも当時のシスターと、あの裏の小屋に行っていました。わたしは礼拝堂で待っているように言われ、いつまでも待っていた記憶があります。...