ー 最終回 ー カーテンの隙間から蜂蜜のような朝の光が差し込んでいる。布団に横たわる私の耳に、川のせせらぎが繰り返し聞こえていた。やっぱり彼女はいなかった。「結局、さようなら言えなかったなぁ。やっぱりそれが心残りかな」そう思いながら私は帰り支度を始めた。「最後にもう1回、温泉に入っとこうかな」帰り支度を中断すると、タオルを持って露天風呂に向かった。こうして温泉に浸かって空を見上げると、白い湯煙が青空...