21菜月は一人アマデスウスを出た。そこには菜月に対する失望と、ママに対する贖罪しかなかった。もう菜月に会うことはないだろう。彼女があの店、『蒼い蟷螂』に来ることもないハズだ。そして何日ぶりだろう。奈々は『蒼い蟷螂』のドアを開けた。「奈々……。来てくれたのね……」奈々はママと見つめ合いながら、黙って頷いた。「ということは……、あたしを……?」「ごめんなさい。あたし……」「イイのよ、奈々。帰って来てくれればそれで...