15 アマデウスを出た二人を、真夏の太陽が照りつけた。二人は日差しから逃げるように幹線道路を渡ると、バスターミナル脇のタクシー乗り場からタクシーに乗った。隣駅の裏通りでタクシーを降りると、そこからほど近いホテル『ハーモニー』へと入った。部屋はサラリとした空気に、適度な冷房が効いていた。室内にはベッド、浴室、そして机と椅子も置かれている。「ココってラブホ? なんだかビジネスホテルみたい」「そうねぇ、ラ...