20「あなたがどっちを選ぶかわからない。でももしも、あたしを選んでくれたなら、その時はまたこの店に来て……。そして菜月さんを選ぶなら、もうココには来ないで……」ママからの伝言を胸に、奈々はタクシーに乗り込んだ。「ねぇ、菜月さん。今日はこのまま帰るわ。今日は主人の帰りが早いかもしれないから」「あらっ、そう、残念ねぇ。今夜は楽しめるかと思ったのに……。そういうことは早く言ってよね」「ごめんなさい……」「ソレじゃ...