22翌日の昼前、彩乃の家のチャイムが押された。玄関のドアを開けると、そこには時間通りにやって来た樹が立っていた。「いつも時間通りね、樹」「はい。人として当然です。」「まぁ……、うふふっ。さぁ入って……」「お邪魔します」彩乃は家の中へと招き入れると、ドアを閉め鍵をかけた。20分ほどコーヒー挟んでおしゃべりを楽しむと、タイミングを計ったように彩乃が切り出した。「樹、そろそろ」テーブルの上で彩乃が腕を少し伸ばす...