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あなたの燃える手で

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桃色流星群

22
翌日の昼前、彩乃の家のチャイムが押された。
玄関のドアを開けると、そこには時間通りにやって来た樹が立っていた。
「いつも時間通りね、樹」
「はい。人として当然です。」
「まぁ……、うふふっ。さぁ入って……」
「お邪魔します」
彩乃は家の中へと招き入れると、ドアを閉め鍵をかけた。

20分ほどコーヒー挟んでおしゃべりを楽しむと、タイミングを計ったように彩
乃が切り出した。
「樹、そろそろ」
テーブルの上で彩乃が腕を少し伸ばすと、その指先が樹の指先に触れた。
「はい」
触れ合った指先は互いの指の間に入り込み、そして絡まりあった。

いつからだろう、二人がこういう関係になったのは。
樹が彩乃のマネージャーになって三ヶ月も経たないうちに、二人はベッドを共に
するようになっていたのだ。
これといったきっかけもなかったように思う。同じ性癖を持つものだけが感じる
同じ匂い。そんなものをお互いにを感じ取ったというしかない。

指を絡めたまま彩乃が樹の手を引き、二人は二階に上がった。
「彩乃さんの部屋、久しぶりです」
「そうね」
彩乃が寝室のドアを開けた。

もう何度入ったろうこの寝室。娘の澪の留守を狙っては、二人はこの寝室で逢瀬
を重ねて来たのだ。
樹は彩乃の娘である澪が通う、『瑠璃川学園』の理事長『有村絹枝』とも関係が
ある。しかしそのことは、もちろん彩乃は知らない。
樹はいつか彩乃が政界に打って出る時、その後押しを有村理事長にお願いしてい
るのだ。
だから全て彩乃のためと割り切っている。それほど罪悪感も感じていない。
実際Sの理事長とMの樹は相性はいい。しかしその構図は、彩乃との関係と全く
一緒だ。彩乃はS。Mの樹と相性が悪いわけがない。
二人はどちらからともなく服を脱ぐと、部屋の真ん中で立ったまま互いの体を観
察するように見た。
普段ハイヒールで小気味よく歩く樹の脚は、キュッと引き締まった印象で、彩乃
のそれよりも細い。くびれたウエストに決して小さくはない胸。半年以上切って
いないストレートの黒髪が、そんな胸に掛かっている。
インテリを思わせる顔に掛けた銀縁のメタルフレームが、その印象をさらに際立
たせている。
全体的に見て彩乃の方がやや肉付きはいい。しかしそれも僅かな差で、彼女の全
身もかなり引き締まった印象だ。テレビでニュースのコメンテーターを務めるだ
けあって、顔はさすがに彩乃の方が花がある。そしてその胸も、彩乃の方が一回
り大きく見える。
そんな二人の視線が絡まり合った。

粘り着いような視線をそらし、彩乃はクローゼットの奥から小ぶりなバッグを取
り出した。
「樹、後ろを向きなさい」
「はい……」
樹が後ろを向くと、彩乃はバッグから一本の赤い縄を取り出した。
長さは2m近く、いやそれ以上あるだろうか。
「両手を後ろに」
樹が手を後ろにすると、両手首が一つに縛られた。どこか柔らかな感触の縄は、
縛り始めると縄が潰れ緩まなくなる。
彩乃は、残った縄をしごくように引っ張った。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土