11池の周りのにいた学生達が、校舎の中へと消えていく。「昼休み、終わったみたいですね。エマさん」「うむ、今から午後の講義だ」昔を思い出しているのか、エマは目を閉じたまま扇子で顔を扇いでいる。「あっ、学長室のカーテンが開きましたよ」エマは学長室をチラリと見た。「あれが学長の雪柳琴美だ。判る人には判る妖しい雰囲気を持っている」「って言っても、ここからじゃ顔も見えませんし、雰囲気も判りません」「そんなも...