誰かが後を付けている。「ストーカー?」そんな気がして、若村エリは立ち止まると後ろを振り返った。しかし、24時の夢の森商店街を歩く人など誰もいない。店々のシャッターは閉まり、辺りは深閑とした空気に包まれている。「気のせい? でも、やっぱり……、やっぱり誰かいる」消えない不安を胸に、エリは足早に薄暗い商店街を歩き始めた。こちら夢の森探偵社1殺人的な猛暑もヤマを越え、毎日のように見ていた入道雲も、今は秋の空...