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あなたの燃える手で

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白い魔女

42
救急車のサイレンが止んだ時、一人の看護士が中庭の渡り廊下を走ってきた。
彼女は大銀杏の横で患者に付き添っている、婦長である御堂に気が付いたが、声を掛けたのは御堂が先だった。
「近藤さん!」
「婦長、急患です。交通事故で重傷のようです」
彼女はそれだけ言うと頭をペコリと下げ、正面玄関に走り去った。
「ゆかり。部屋に戻っていいわ。はいこれ」
御堂はポケットらからリモコンバイブのスイッチを出し、ゆかりの手に握らせると、自分も正面玄関へと急いだ。
一連の出来事がゆかりに再び注目を集めた。その時、オムツに包まれたゆかりの直腸内が我慢の限界に達した。御堂から手渡され、その苦しみに一度はスイッチを切ったゆかりだが、その指先はバイブのスイッチを入れていた。苦痛が増し思わず前屈みになる。そしてそのままゆかりはオムツの中に排泄した。
衆人の注目の中で排泄するという恥辱と羞恥。それを自ら望んだゆかりの姿がそこにあった。腸内の嵐が過ぎ去ると、ゆかりは足早にその場を立ち去った。

御堂に呼び止められた看護士。彼女の名前は近藤沙也加、26歳。この病院に来て2年が経とうとしている。
確実に美人の部類に入る端正なルックスと、スリムな体型から伸びた手足は長
く、姿勢良く歩くその姿はバレリーナのようだった。
日頃の献身的な仕事ぶりと、時に厳しくもその優しい性格は患者達からの人気も高かった。
運び込まれた女性は、森尾千鶴、25歳。横断歩道を歩行中に車に突っ込まれ、その際にバンパーが両足を直撃し、両足の大腿骨を骨折。特に右足は右ひざ前十字靱帯を損傷していた。全治1ヶ月と診断され、所持していた免許証から本人の家族に連絡が取られた。
即日、手術が行われ、大腿骨はボルトで固定。傷跡もほとんど残らずに済みそうだった。しかし当然歩くことは叶わなかった。

翌朝、婦長の御堂から森尾千鶴の担当には近藤沙也加の名が告げられた。沙也加にとって初めての担当患者だった。
御堂から痛み止めを飲ませるように言われた沙也加は、薬を持って千鶴の病室を訪れた。病室は一人部屋なので他の患者はいない。

「森尾さん。森尾さん」
沙也加の呼びかけに中から返事はない。中を覗くと、白いカーテン越しに茜色の日射しが、千鶴のベッドまで届いていた。
「森尾さん。傷の具合はどうですか?」
着慣れないパジャマや不自由な足。それとも術後6時間の絶食が彼女に不快にしているのか、千鶴は携帯で夢中になってメールをしている。
彼女は沙也加の呼びかけに、振り向こうともしなかった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土