御令嬢妄想奇譚
【32】
水の仮面のハサミが、細い肩紐に噛みつきました。
「いやっ、いやよっ……、やめてっ、やめてぇ」
佐智枝さんはハサミから逃れようと、必死に体を捻っています。
「うふふっ、最後の悪あがきかしら?」
そしてハサミは無情にも、シャキっという小さな音と共に、肩紐を食い千切っ
たのです。
「いやぁぁ!」
命綱を切られたブラは、上着の切れ目に引っ掛かるようにして、奇蹟的に下に
は落ちませんでした。
ハサミが更にもう一方の肩紐に近づきます。これを切られたら……、奇蹟は2
度は起きません。あたしは硬く目を閉じました。
「いやっ、やめてっ!」
そんな佐智枝さんの声の後、あたしは紐を断ち切る小さな音を聞いたのです。
そっと目を開けると、両手を吊られたつま先立ちの格好は変わりませんが、ズ
タズタになったナース服の切れ目から、乳房や乳輪そして乳首までもが見え隠
れしているのです。
その足元には、着られた白いブラが落ちています。
「さ、佐智枝さん……」
あたしは声に出したつもりでしたが、彼女には届かなかったようです。
「まぁ、大きなお胸ですこと……」
スリムなカラスの仮面が、その胸を見ながら嫌みったらしく言います。
「この胸じゃ、さぞかし服が窮屈だったんじゃない?」
水の仮面が続けて言い放ちました。
「綺麗な白い肌。とっても美味しそうよ。ほらっ、いい子いい子してあげる」
花の仮面が、脇腹からお腹を両手でフワフワと撫でさすります。
その瞬間、つま先立ちの体が反応し、手首を中心にブラブラと揺れました。
「まぁ敏感。若い子もイイけど、あなたみたいな熟女を泣かせるのも大好き
よ。いっぱい可愛がってあげますからねぇ。ほぉ~らっ、まずはこうやって」
花の仮面の両手に挟まれた佐智枝さんの体が、時折くの字に折れ曲がるように
反応します。
「どうしたんですかぁ~。まだまだですよぉ~。ほぉ~らっ、いっぱいいっぱ
いサワサワして、いい子いい子してあげるぅ~」
それはよく見れば、花の仮面は10本の指で佐智枝さんの脇腹をサワサワとく
すぐっているのです。
「はぁぁ、やめっ、やめてっ、あぁぁだめっ、そんなっ、くすぐったいっ」
揺れる佐智枝さんの体を、月の仮面が後ろから肩を持って押さえました。
「ほらっ、動かないの! 囚われのあなたには、耐えるしかなのよ」
「あぁぁ、やめてっ、く、くすぐったい、こんなの、こんなの……」
花の仮面の指先は、左右の脇腹のそれぞれ1ヶ所に集中しだしました。
カラスと水の仮面そして梓先生は、少し遠巻きにそれを見ています。
「あぁーココねぇ。ココが効くんでしょう。あぁー堪らなぁ~い……」
「ひっ、ひぃぃ~。だめっ、だめだめっ、もうやめてぇぇ。くっくくぅ~」
くすぐったさに身をよじりたくても、両手を吊られていてはどうしようもあり
ません。ましてや月の仮面が後ろから、両肩を押さえているのです。
「ほぉ~らっ、ココ。ココが1番くすぐったぁ~い」
花の仮面の指先は、イソギンチャクの触手のように、佐智枝さんの脇腹をピン
ポイントに責め続けます。
「もう、もうお願い赦してぇぇ~、はぁ、はぁ、はぁぁ~だめだめだめぇ~」
「んん~どしたのぉ~? まだよぉ~、まだまだ。ずぅ~っとこのまま」
「いやっ、いやっ、もう我慢出来ません。あぁ、あぁだめ。いやっ、いやぁ」
「あらあら、もう我慢できないのぉ? 困った子ねぇ~」
花の仮面が他の仮面に、目配せをするように首を回しました。
水の仮面のハサミが、細い肩紐に噛みつきました。
「いやっ、いやよっ……、やめてっ、やめてぇ」
佐智枝さんはハサミから逃れようと、必死に体を捻っています。
「うふふっ、最後の悪あがきかしら?」
そしてハサミは無情にも、シャキっという小さな音と共に、肩紐を食い千切っ
たのです。
「いやぁぁ!」
命綱を切られたブラは、上着の切れ目に引っ掛かるようにして、奇蹟的に下に
は落ちませんでした。
ハサミが更にもう一方の肩紐に近づきます。これを切られたら……、奇蹟は2
度は起きません。あたしは硬く目を閉じました。
「いやっ、やめてっ!」
そんな佐智枝さんの声の後、あたしは紐を断ち切る小さな音を聞いたのです。
そっと目を開けると、両手を吊られたつま先立ちの格好は変わりませんが、ズ
タズタになったナース服の切れ目から、乳房や乳輪そして乳首までもが見え隠
れしているのです。
その足元には、着られた白いブラが落ちています。
「さ、佐智枝さん……」
あたしは声に出したつもりでしたが、彼女には届かなかったようです。
「まぁ、大きなお胸ですこと……」
スリムなカラスの仮面が、その胸を見ながら嫌みったらしく言います。
「この胸じゃ、さぞかし服が窮屈だったんじゃない?」
水の仮面が続けて言い放ちました。
「綺麗な白い肌。とっても美味しそうよ。ほらっ、いい子いい子してあげる」
花の仮面が、脇腹からお腹を両手でフワフワと撫でさすります。
その瞬間、つま先立ちの体が反応し、手首を中心にブラブラと揺れました。
「まぁ敏感。若い子もイイけど、あなたみたいな熟女を泣かせるのも大好き
よ。いっぱい可愛がってあげますからねぇ。ほぉ~らっ、まずはこうやって」
花の仮面の両手に挟まれた佐智枝さんの体が、時折くの字に折れ曲がるように
反応します。
「どうしたんですかぁ~。まだまだですよぉ~。ほぉ~らっ、いっぱいいっぱ
いサワサワして、いい子いい子してあげるぅ~」
それはよく見れば、花の仮面は10本の指で佐智枝さんの脇腹をサワサワとく
すぐっているのです。
「はぁぁ、やめっ、やめてっ、あぁぁだめっ、そんなっ、くすぐったいっ」
揺れる佐智枝さんの体を、月の仮面が後ろから肩を持って押さえました。
「ほらっ、動かないの! 囚われのあなたには、耐えるしかなのよ」
「あぁぁ、やめてっ、く、くすぐったい、こんなの、こんなの……」
花の仮面の指先は、左右の脇腹のそれぞれ1ヶ所に集中しだしました。
カラスと水の仮面そして梓先生は、少し遠巻きにそれを見ています。
「あぁーココねぇ。ココが効くんでしょう。あぁー堪らなぁ~い……」
「ひっ、ひぃぃ~。だめっ、だめだめっ、もうやめてぇぇ。くっくくぅ~」
くすぐったさに身をよじりたくても、両手を吊られていてはどうしようもあり
ません。ましてや月の仮面が後ろから、両肩を押さえているのです。
「ほぉ~らっ、ココ。ココが1番くすぐったぁ~い」
花の仮面の指先は、イソギンチャクの触手のように、佐智枝さんの脇腹をピン
ポイントに責め続けます。
「もう、もうお願い赦してぇぇ~、はぁ、はぁ、はぁぁ~だめだめだめぇ~」
「んん~どしたのぉ~? まだよぉ~、まだまだ。ずぅ~っとこのまま」
「いやっ、いやっ、もう我慢出来ません。あぁ、あぁだめ。いやっ、いやぁ」
「あらあら、もう我慢できないのぉ? 困った子ねぇ~」
花の仮面が他の仮面に、目配せをするように首を回しました。