2ntブログ

あなたの燃える手で

Welcome to my blog

御令嬢妄想奇譚

【30】
手足が拘束されると、梓先生があたしのアイマスクを外しました。
今さらながらこの地下室に、エアコンが効いているのに気付かされます。
X字形に固定されていても、首だけは自由に動かせます。目が慣れてくると、
回りの壁との関係で、どうやらあたしはこの地下室の中央にいるコトが判って
きました。
そして以前チョットだけ動かした、あの天井を移動するクレーンに、ナース姿
の佐智枝さんが吊されているのに気が付いたのです。
地下室の天井を、輪を描くように1周している移動式のクレーン。そのクレー
ンから伸びた鎖の先のフックが、佐智枝さんの手首に嵌められた手錠のような
手枷に引っ掛けられています。
その鎖は佐智枝さんが背伸びをした状態まで巻き上げられ、佐智枝さんはやや
フラついた状態でその場に立っているのです。

「さ、佐智枝さん、佐智枝さん……」
「あぁ、お、御嬢様……」
「ほほほっ、ほほほほほっ……」
その時聞き慣れない笑い声が、頭の方から近づいてきました。
「誰、誰なの……?」
そしてあたしの目の前に、4人の人物が姿を現したのです。この4人はさっき
梓先生の車から降りてきた、そしてあたしの手足を拘束したセレブに違いあり
ません。しかもその4人の姿は、実に異様なものだったのです。

皆様はベネチアのカーニバルをご存じでしょうか。
現れた4人セレブ達は、あのカーニバルの仮面と衣装を付けているのです。

「はじめまして。思ったよりも可愛いお顔ですわ、それにそのお声も」
最初にそう言った彼女は、真っ黒な仮面を付けています。その仮面は鼻までを
隠す仮面で、鼻から下は素顔です。しかしその鼻が鳥のくちばしのように20
センチ近く長く伸び、まるでカラスのようでした。
しかもご丁寧に、仮面の左上には黒く長い羽が5本も付いているのです。

「いっぱいいっぱい辱めてあげますからね。何もかも、ぜぇ~んぶ見せてね」
そう言った彼女は、カラスの仮面の隣に立っています。その仮面は顔全体を隠
し、仮面全体に色とりどりの大小の花が散りばめられています。

「その声が悲鳴に変わるのね。その時がとっても楽しみだわ」
それは花の仮面の隣に立ている彼女の声でした。薄い水色の仮面に、水の流れ
を現す青いグラデーションのラインが、仮面を斜めS字に横切っています。

「泣こうが喚こうが赦さないよ。ジックリと虐めて楽しませて貰うからね」
水の仮面の隣でそう言ったのは、頬に大きな三日月を描かれた仮面でした。
黒地に金色の三日月が、この仮面の神秘性を物語っているようです。

カラスの仮面は艶やかな黒髪でスリムな体型。他の3人は中肉中背で、いずれ
も落ち着きのある茶髪でした。
衣装はそれぞれの仮面を引き立てるような、見事なパーティードレスです。

そしてその仮面を付けた4人の後ろから、梓先生が姿を現しました。
「先生、これは、これはどういうコトですか?」
「あら、あなたの誕生パーティーじゃない」
「そ、そんな、これが誕生パーティーだなんて」
「あらっ、そんなコト言わないで。今日はあなたを逝かせてあげるんだから」
「えっ?」

あたしを逝かせるって、知らない人が4人もいるのに……。

Comments 0

Leave a reply

About this site
女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
About me
誠に恐縮ですが、不適切と思われるコメント・トラックバック、または商業サイトは、削除させていただくことがあります。

更新日:日・水・土