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あなたの燃える手で

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御令嬢妄想奇譚

【6】
その日、あたしは梓先生から4時間の授業を受けました。
先生は授業が終わると、お茶をしてから帰るのが日課です。あたしの部屋を出
てからおよそ15分後、先生の車がガレージの砂利を踏む音が聞こえ、そのま
ま遠ざかっていきました。
あたしは部屋のカーテンを開けバルコニーに出ました。
空には燃えるような夕焼けが輝いています。
先生の車がガレージからなくなっているコトを確認すると、そのままバルコ
ニー伝いに佐智枝さんの部屋の行き、そっと中を覗きました。
思った通り、この時間の佐智枝さんは、1階のキッチンで夕食を作っていて、
部屋にいるワケがないのです。

あたしはバルコニーから彼女の部屋に入ると、室内を物色しました。
机や化粧台の引き出し。ベッドの下やサイドテーブル回り。そしてとうとうそ
れを見つけたのです。500ccは入る、あのガラス製の浣腸器を……。
それはクローゼットの奥に、白いタオルにくるまれていました。
「あった……。やっぱり佐智枝さんのだったのね」
梓先生のバックには、コレはチョット入りません。もし入れれば、相当バッグ
が膨らむはずです。それでたぶん佐智枝さんのモノだろうと思ったのです。
あたしはそれを元に戻すと部屋を出ました。

夕食はトンカツでした。
あたしはいつものように、佐智枝さんと2人きりの食事を済ますと、2階の部
屋に戻りました。
当然この時間になれば、漆黒の闇がこの屋敷を包み込んでいます。

夕食後、食器の後片付けが終わると、佐智枝さんがお風呂に入るのをあたしは
知っています。
頃合いを見て、あたしは1階に降りていきました。途中ギシギシと音を立てる
階段が、淡い決意を鈍らせます。
階段の一番下まで来ると、廊下に顔だけを出してバスルームの方を覗いてみま
した。すると、バスルームの灯りが廊下をほんのりと照らしています。
「やっぱり……」
廊下を歩きバスルームの前まで歩くと、脱衣籠の中に佐智枝さんの服と下着が
入っています。
突然シャワーを出す音が響き、あたしの心臓が止まりそうになりました。
しかしその驚きが、逆に決意を固めてくれたのです。あたしは勇気を出してバ
スルームのドアをノックしました。
「佐智枝さん……」
シャワーの音が止まり、ドアが少しだけ開きました。そこから暖かな湯気と石
鹸の香りが溢れ出してきます。
「絢音お嬢様、どうなされました?」
「お風呂から出たらあたしの部屋に来て……」
「は、はい……」
「それじゃあね。あっ、お風呂はゆっくり入って。別に急いでいるワケじゃな
いから」
それだけ言って、あたしからドアを閉めました。
もうドアが開くことはありませんでしたが、ドア越しに戸惑っている佐智枝さ
んの様子が、手に取るようにわかりました。

それから15分程すると、あたしの部屋のドアが2回ノックされました。
いつもの佐智枝さんの叩き方です。
ドアを開けると、白いネグリジュ姿の佐智枝さんが立っていました。あたしは
薄いピンクのパジャマを着ています。
あたしは彼女を部屋に入れ、ドアを閉めました。
「あのう、何のご用でしょうか、絢音お嬢様……」
まだ生乾きの髪が、シットリと肩に載っています。
あたしは告白でもするような緊張感の中、ようやく言葉を絞り出しました。
「キスして……、佐智枝さん……」
それだけ言うと、あたしは俯いてしまいました。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土