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あなたの燃える手で

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Christmas in Blue Moon

☆16
3人に逝かされた良子が、気だるそうにベッドから起き上がった。

「もう、逝きすぎでフラフラよ麗子。あぁーのど渇いた」
「そうだ、マリアが買ってきたシャンパンがあるんだっけ」
「それでもう1度乾杯しましょうか」
「どうせなら新年みたいにカウントダウンしない?」
時間はもうクリスマス10分前だ。
「マリア、あのシャンパンは?」
「こんなコトもあろうかと、ちゃんと冷蔵庫で冷やしてあります」
「こんなコトもあろうかとね、さすがねマリア。それじゃ用意してちょうだい」
「もしかして今年一番のお手柄じゃない。マリアちゃん」
「そんなことないですよ。いつものあたしです」
「それじゃみんな居間に行きましょう。クリスマスまでもう10分しかないわよ」
「はぁ~い」

4人は階段を下り始めた。
「あっ、そうだわ……、みんな先に行ってて、スグに行くから……」
麗子だけが途中で自分の部屋へと引き返した。
そして数分後、麗子は居間に姿を現した。

マリアはクリスマスケーキを切り分け、シャンパンをみんなのグラスに注いだ。
「そう言えば、さっき星が出てたんですよ」
「あらそう、雪やんでたのね。マリア、カーテン開けてみて」
マリアがカーテンが開けると広い庭は雪化粧され、その雪が青く輝いていた。
「うわぁー、雪が青く光ってる。なんで?」
「えっ? あらっ本当、青いわ」
テーブルの3人が庭の雪に釘付けになった。そして立ち上がると窓辺に並んだ。
「見てあの月、青いですよ」
マリアが青い月を指差している。
「本当だ、あんな月初めて見たよ」
「あたしも初めてよ、マリアちゃん」
「確か大気の関係で月が青く見えることがあるって聞いたことがあるけど……、本当だったのね」
4人は暫し、青い月に見入っていた。
「みんな、クリスマス30秒前だよ」
「あら大変、乾杯の用意しなくちゃ……」
麗子のその言葉に、4人は窓辺からソファに戻りグラスを持った。
「マリア、シャンパン買い行って良かったね。こうして乾杯できるじゃん」
「うぅ~ん、何だか褒められてる気がしない……」 
「さぁ時間よ」
「5秒前、4秒前・3・2・1、メリークリスマ~ス!」
4つのグラスがクリスタルな和音を奏でた。
「来年もよろしくね。麗子、マリアちゃん」
ママが優しくほほえみかける。
「よろしくです麗子さん、そしてマリア殿」
響子がおどけたように言った。
「もう2人共、何だか大晦日みたいじゃない」
「はい、よろしくお願いします。……皆さん、来年のクリスマスケーキはチョコレートケーキにしようと思います。異議のある人は挙手をお願いします」
「異議無ぁ~し……」
3人は声を揃えて言った。
それから1時間程楽しい会話ははずみ、やがて良子と響子は来客用の寝室へ、マリアと麗子もそれぞれの部屋へと戻っていった。

ーエピローグー
マリアが自分の部屋に戻ると、水色の小箱が机の上にあるのに気がついた。
たぶんさっき麗子が階段で戻った時、ここに置いていったのだろう。
それは二つ折りにした、ピンクの便箋の上に置いてあった。
マリアはその便箋を小箱の下から引き抜くと手に取った。


~いつもどうもありがとう。あたしからのささやかなプレゼントよ~
      ☆ メリークリスマス。愛しいマリアへ ☆


「麗子様……」
熱いものが胸にこみ上げ、涙が溢れた。
窓から見上げる青い月が、ユラユラと滲んで揺れた。


ーENDー

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土