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あなたの燃える手で

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ちゃんと抱いて


>舞ちゃん。こんばんは。
>メアド教えてもらって、うれしくて早速メールしちゃった。
>明日か明後日なんだけど暇? もし暇ならドライブでも行かない?
>運転あんまり上手くないけど、海くらいまでなら平気だから。
>うん。平気だと思う。たぶん平気(笑)
>それじゃ、おやすみなさい、舞ちゃん。

あたしはスグに返信した。だって、だって……。

>里美さん、メール貰えてスゴクうれしいです。
>天にも昇る気持ちって、このことかな。
>ドライブ、明日行きましょう。あたしを海につれてってw
>明日、楽しみにしてまぁ~す。おやすみなさい zzz

翌日、あたし達はドライブに出発した。
あたしは白いワンピース。里美さんはピンクのポロシャツにデニムのショート
パンツ。行き先は海。でも出掛けたのはお昼くらいになっちゃった。

海水浴で賑わう砂浜に足を踏み入れたのは、3時を少し回った頃だった。
熱い砂に足を取られながら、あたし達は手を繋いで波打ち際まで歩いた。
長い砂浜が続き、水平線からは入道雲が噴煙のように湧き上がっている。
寄せる波が足元を洗うと、引く波を追いかけ、笑いながら次の波から逃げた。
振り返ると、パラソルの隙間に海の家の看板が見えた。

「舞ちゃん、そう言えばお昼食べてないね。なんか食べる?」
「舞はすでにお腹ペコペコです。隊長」
あたしはふざけて敬礼をしてみせた。
近くの海の家でラーメンを注文すると、それを2人で食べた。
何でもないラーメンが凄く美味しかった。

夕方が近づき、砂浜が徐々に閑散としていく。
そんな波打ち際を、2人で何処までも歩いた。途中、丸太のような流木を見つ
けた。あたし達は冷たい缶コーヒーを買ってそこに腰を下ろした。
「あぁーあっ、ワンピース濡れちゃったね……」
足元を見ると、濡れたワンピースの裾に砂がいっぱい付いている。
「あっ、本当だ。すぐに乾きますよね」
そう言ってあたしは、コーヒーを片手に砂を払った。
「まぁね。あたしはショートパンツだから平気だけどね」
「あっ! さすが隊長」
「今頃気がついたか、舞二等兵」

海を茜色に染めながら、夕日が沈んでいく。
里美さんのピンクのポロシャツが、夕日を浴びて今は真っ赤に見えた。
2人で一緒に缶コーヒーを一口ずつ飲んだ。
「うわっ、コレ苦ぁ~い……」
「どれどれ?」
里美さんがあたしの手から缶を奪うと一口飲んだ。
「ホントだ、苦い。コレは甘いよ」
里美さんは自分のコーヒーをあたしに渡した。
「ホントだ、あたしもコレにすれば良かったなぁ~」

暮れていく水平線の上を、カモメが1羽ゆっくりと飛んでいく。
「女同士なのに、間接キスしちゃったね、舞ちゃん」
そう言って笑う里美さんを、海に消えかけた夕日が照らしている。
あたしは黙って頷いた。里美さんなら全然イイよ。だってあたし……。
里美さんが笑顔であたしを見つめている。
この笑顔があたしは大好きだ。

「あたし、舞ちゃんのこと……、好きになっちゃったかも」
それって、この間以上の爆弾発言なんですけど……。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土