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あなたの燃える手で

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花散る午後

30 最終話
いよいよ奈津子の尿意は限界を迎えつつあった。
「あぁぁ、もう出る。出ちゃうぅ」
「あらあら、お漏らしですのぉ? 皆さんカメラの用意はよろしくて」
「いつでもいいわよ」
「あたしも」
恵美と綾子がタイミング良く返事をする。
「あぁ、やめてっ和美さん。ホントにホントに出ちゃうのぉ」
「それは大変ですわぁ」
そう言う和美に、奈津子が哀願の眼差しを向ける。
「んん? まだやめませんわよ。出るその瞬間まで続けますからねぇ」
そして奈津子の全身に痙攣が走った。
「あっ、あぁぁっ、いやっ、でっ、出ちゃうぅぅ~」
「さぁ、出ますわよ。みなさん」
その合図に、和美を残して全員がカメラを構えた。
「あぁ、いやぁ、抜いてぇ、それを抜いてぇ」
「ふふふっ、さぁ、皆さんに撮ってもらいなさい。恥ずかしい瞬間を」
そう言って和美が綿棒を引き抜いた。その途端に奈津子の小さな穴から飛沫が迸った。一斉にシャッターを切る音が鳴りフラッシュが瞬いた。
「いっ、いやぁぁ~。撮らないでぇ、撮らないでぇ。いやぁぁ~……」
「ほらっ、こうしてあげますわぁ」
和美が奈津子の花びらを思い切り拡げた。
「ひぃぃ~、いやぁ、見ないでぇ。あぁぁ~いやぁ~、いやぁ~」
再びシャッターを切る音が鳴りフラッシュが瞬いた。
「まだ撮れるわね」
「うん。もう1枚、今度はアップで……」
「お願いもうやめてぇ……」
しかしそれでも奈津子の迸りは終わらず、花瓶に注がれる液体は徐々にガラスの色を変えながら満たされていった。
「イイ写真が撮れたわぁ」
「ホント、保存版ね。志帆さん」
「そうね。今度はウ・シ・ロ・からもね」
「その時は、あたしも撮らせていただきますわ。綾子さん」

その夜、奈津子は言うまでもなくみんなからの責めを受けながら、焦らされ、また連続で逝かされ続けながら忘我を彷徨い続けた。

翌日11時に6人はホテルをチェックアウトした。白いホテルの上には小春日和の快晴の空が広がっている。
「それじゃ、これからもよろしくお願いします」
志帆が深々と頭を下げた。それに続いて5人が頭を下げる。
「奈津子さんも、また……楽しみにしているわ」
「こちらこそ。今度は、ウ・シ・ロ・ですか? 楽しみにしています」
みんなが微笑み会う中、温かな風が吹き抜けていった。

奈津子は駅前でみんなと別れると、商店街の入口にある『アマデウス』というカフェに入った。年末の旅行帰りに1度立ち寄った店だ。
「いらっしゃいませ」
見覚えのある、ミニスカートから綺麗な脚を覗かせた、ボーイッシュな髪型をした女の子が奈津子の席に水を持ってきた。
「ええっと、ブレンドください」
「はい、ブレンドですね。少々お待ちください……ママ、ブレンドでぇ~す」
そう言いながら、彼女は奥の厨房に姿を消した。
暫くすると彼女がトレイにコーヒーカップを乗せてやって来た。
「お待たせしました。あとコレ、よろしかったらどうぞ」
そう言って彼女は、二つ折りの広告のような桜色の紙を置いた。
それは「夢の森の仲間たち」と題した、この街を紹介するフリーペーパーのタウン誌だった。あの日持ち帰ったのは薄緑色だったが、今回は桜色だった。
思えばここで受け取ったこのタウン誌から、全ては始まった事のようだった。
あの日から今日までの出来事が、回想シーンのように思い出される。

奈津子はコーヒーを飲み終わると、バッグを持って立ち上がった。
「ごちそうさま。美味しかったわ」
店のガラス扉を開けて外に出ると、奈津子はすぐに見えなくなった。

奈津子の座っていたテーブルには、桜色のタウン誌がポツリと置かれていた。


               ー END ー

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土