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あなたの燃える手で

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マリアと響子

6  
あたし達はお互いの秘密を打ち明けることになった。

それは響子ちゃんの、他愛もないこんな質問がきっかけだった。
「ねぇ、マリア。マリアと麗子さんって、二人で暮らしてるの?」
「そうだよ」
「ってことはさぁ、もしかして二人の関係って……、だったりする?」
「なによぉ、 "だったり" って」
「だからさぁ、女同士の関係なの? ってこと」
「えっ、あぁ、まぁ、そこはご想像にぃ……」
「やっぱりねぇ、そうなんだぁ~」
響子ちゃんは大変納得したとばかりに、何度も大きく頷いている。
「じゃぁ響子ちゃんはぁ? ママさんとそういう関係なのぉ?」
「まぁ~、たまにね」
「たまに? たまにって、ホントにそうなのぉ?」
「だからたまにだよ、た・ま・に……」
「へぇ~、そうなんだぁ~。やっぱり響子ちゃんが S?」
「Sっていうか、タチ」
「あぁ、そうか、うんうん」
「マリアは? ネコか……。まぁ聞くまでもないけど」
「うん、あたしネコ」
「えっ……?」
「あっ、言っちゃった。まぁ、いいや……」
「そうだよ。もうお互い様だよ。でもちょっとびっくり。だって自分がそう
でも、人の話ってあんまり聞かないじゃない」
「でもさぁ響子、あの日、麗子様とママさん、帰り遅くなかった?」
「あたしは良子ママと住んでるわけじゃないから……、でもママから "先に
帰ってなさいって" LINEがきた」
「うん。あたしも麗子様から同じLINEがきた」
「ねぇ、マリアぁ、あの二人もしかして……」
「えぇ? あの日にぃ? まさかぁ、だってあの日が初対面だよぉ」

でも、でもでも。麗子様とママさんはもうあの日に、あたし達以上の関係に
なっていたわけで、もちろんあたし達はそんなこと思いもしなかったけど。
そしてずっと後になって、あたしは麗子様からあの日のことを聞いてみた。
その話を聞いたのは、あたしが麗子様のベッドで、一緒に寝ていた時のこと
だった。

「麗子さまぁ、あの縁日の日、麗子様とママさん帰りが遅かったじゃないで
すかぁ?」
「そうねぇ」
「あの時、どこでなにしてたんですかぁ?」
麗子様の横でタオルケットを首まで引き寄せ、天井を見ながら聞いてみた。
「どこでなにしてた? うっふふっ。そうね。あの日は色々あったわ」
麗子様も天井を見ながら答える。
「色々?」
「たとえばマリアが思いもしないこと」
「えぇ? なんですか? それ……」
「縁日で初めて響子ちゃんと良子に会ったでしょう。その時ビビッっときた
のよね」
「ビビッっと……」

すると麗子様は遠い記憶をたぐるように、あの日の二人の痴態を話し始め
た。それは麗子様とママさんの、人には言えない女と女の痴態だった。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土