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あなたの燃える手で

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マリアと響子

7  
麗子様は記憶をたぐるように、あの日の二人の痴態を話し始めた。

「縁日で初めて響子ちゃんと良子に会ったでしょう。その時ビビッっときた
の。分かるのよね、レズビアンのシックスセンスっていうか、女しか愛せな
い女のオーラっていうか……」
「へぇ~、ビビッと」
「しかも、マリアと響子ちゃんはどっか行っていなくなっちゃうし」
麗子様は仰向けのまま、首だけをあたしに向けにっこりと微笑んだ。
「あたし達、神社の裏の方に行ってました」
「そうだったの。あたしと良子はね、出店でフランクフルトを買って、二人
で食べながら参道を往復して……、探したのよ。これでも、でもあなた達が
いないから、帰りましょう、ってことになったの」
「そうだったんだぁ……」
あたしも首だけ麗子様に向けた。
「それでね、二人で鳥居に向かって歩いてる時、あの人が言ったのよ」
「なんて?」
「麗子さんがそれ頬張ってる姿、なんだかエッチ、って。それって言うのは
フランクフルトのことね」
「うふっ、フランクフルト。なんだかわかるぅ」
「もう、マリアっ。それでね、あらっそうって、あたし舌先をチロチロ動か
して舐めて見せたの。鳥居まで歩くと周りにあんまり人いなかったし」
「そしたら?」
「まぁイヤラシイって……。それでね、続けてこう言ったの。そんなものよ
り、アワビのほうがお好きなんじゃ? って……」
「えっ、そんなこと言ったんだぁ」
「そうよ。それであたしの横にぴったりくっついてきたの。その時確信した
わ。この人レズビアンなんだって。絶対あたしを誘ってるって」
「それでそれで……」
あたしは仰向けの体を、麗子様の方に向けた。
「だからね、こう言ってみたの。そうねアワビ大好きよって。若いのも熟し
たのも……、って」
麗子様もあたしの方に体を向けた。
「へぇ~、麗子様も言いますねぇ」
「だってぇ~。」
「そしたら彼女、こう言ったの。それじゃトロトロに濡れた鮑なんて、大好
物じゃありません? って。その時にはもう腕を組んでいたわ」
「うんうん。腕を組んできたわけだ」
「そしれこれが決めゼリフになったわ」
「なんです?」
「トロトロに濡れたのも好きだけど、敏感なのはもっと好きよって」
「うわぁ、信じられない。そんなこと言われたら……」
「それでね、あたしの方から手を握ってあげたの。恋人握りっていうの。指
の間に指を入れるやつ」
タオルケットの下で、麗子様の手があたしの手を恋人握りに握る。
「はいはい……」
「それで後はもう、そのままタクシーでホテルへ」
「だから帰りが遅かったんだぁ、あんなLINE送ってきて……」
「うっふふ。実はそうなの」
「まったくもう……」
「それでね、まだ続きがあるの」
「えっ?まだ?」
「聞きたくない? それからあたし達がどんなに乱れたか」
「聞きたいですぅ……」 

すると麗子様は、二人がホテルの部屋に入ったところから話を始めた。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土