惑星エメラルダス
🎄７ 最終話
そうか、この星は……。
その時あたしの中で全てが繋がった。
だめっ、この星に移住なんてしちゃ……。この星は、この星は……。
そうか、そうだったのか。この星は星なんかじゃない。植物なのだ。
あたしは虫を溶かして養分にする、食虫植物を思い出した。
それも超巨大な、地球大の食虫植物。
養分の乏しい土地で育つ食虫植物は、昆虫をとらえて養分を補う。
広大な宇宙という場所で、滅多に餌にありつけないこの植物は、他の星の生
き物を引き寄せ、養分としていたのだ。自ら発光した光を太陽光の代わりと
し、メインの養分は生きた獲物なのだ。
男は精液だけを取り出され、肉体は消化され養分として吸収される。
女はあの緑の棘で刺され、洗脳とDNAを受け継ぐ。そして何人かが、男から
採取した性液で受精、いやこの場合は受粉か……、されると種として宇宙空
間に放出されるのだろう。
だから男女をより分ける必要があったのだ。
おそらくこの二人も、別の星からこの星に来て、あの棘で刺されて……。
そして残った女達は、この星のために働くアリとなるのだ。おそらくアリ達
には、樹液のようなものを与えているのだろう。
あたしが地球と交信するため、彼女らとアマテラスの操縦席へとやってきた
時、既に遥香さんは地球との交信を始めていた。
その肌は、気のせいなんかじゃなく、ほんのりと緑色を呈していた。
「遥香さん……」
「地球の皆さん。どうか安心してこの星へおいでください。宇宙服もボンベ
もいりません。この星には、地球よりもはるかに新鮮で美味しい空気が皆さ
んを待っています。数千年前の、まだ地球に青い海と緑の大地のあった、あ
の頃の空気です」
「だめっ、みんなっ、こんな話信じちゃダメ……」
でもあたしは彼女らに二の腕を掴まれ、その場から動けない。
そしてそんなあたしの腕に、注射のように緑の棘が迫った。
あぁ……、これであたしも洗脳されるのか。きっと遥香さんも……。
そして棘はチクリと刺さった。
もうすぐあたしもこの星の一員になるのだ。この星の、いやこの植物と共生
する、アリのような関係になるのだ。でもそんな考えももうスグ消える。
スグになんの疑いも疑問も、そして不満もなく、この星で生きていくのだ。
「ねぇ、しずく。あたしあなたのコトがずっと好きだったの……」
「えっ？ チョット、ナニ言ってるんですか遥香さん」
あたしは口を動かさない、遥香さんも動かさない。言葉は音ではなく、感覚
で脳に伝わってくる。
「あらっ、イケナイ？ 地球人はもうあたしとあなただけなのよ」
「だからって、こんな宇宙の果てで告白されても……」
「あなたは？ あなたはどう？ あたしのこと好き？ 女同士なんて嫌？
それとも誰か好きな人がいる？」
「そ、そんな矢継ぎ早に」
「ねぇ、どうなのよぉ」
「そりゃ遥香さんは、あたしの憧れでもありますし……」
「で？ それで？」
「それでって……、あたしは別に先輩でも、イイかな……、って……」
「えっ？ イイの？ ホント、ホントにイイのね」
「はい」
「ありがとう、ありがとうしずく。さすがあたしの可愛い後輩だわ」
遥香さんは、両手であたしの両手を強く握りしめた。
そしてそのままズルズルと体を寄せ、あたしに "ギュッ" と抱きついた。
だからあたしもなんとなく、彼女の背中に両手を回す。
そして密着が解かれると、遥香さんが言った。
「ねぇ、キスしていい？ いいわよね。しずく」
「えっ、キス？」
そう言って遥香さんは、両手であたしの頬を挟み込むと、唇をあたしの唇へ
とドンドン近づけてきた。
「えっ、は、遥香……、さん……」
「イイから……」
遥香さんは廊下の壁に入り口を開けると、あたしを連れ込んだ。
室内には、あの平なキノコのベッドがあった。
「は、遥香さん……」
彼女はあたしをソコへ押し倒すと、そのままあたしの覆い被さり、キスをし
てきた。その唇は暖かくて "フワッ" と柔らかい。クセになりそうな唇だっ
た。だから全身から力が抜けて、あたしは遥香さんの思い通りに、ううん、
思い通りにシテ欲しかったのかもしれない。
あたしが脚を開くと、彼女の体は下半身へと滑り降り、やがて股間に熱い吐
息と生温かな舌を感じた。
「あぁぁ～ん、遥香さぁん……」
その快感は、今まで生きてきた中で最高の快感だった。
「ねぇ、あたしのも舐めて……」
そういうと遥香さんは、 "クルリ" と体を反転させ、あたしの頭を跨いでそ
のまま腰を落とした。
あたしの唇に、ねっとりと濡れた遥香さんの下の唇が密着した。
あぁ、これも女同士のキスなのだと、あたしは初めて気がついた。
ーENDー
明日、29日（木） 言の葉 更新あります。
そうか、この星は……。
その時あたしの中で全てが繋がった。
だめっ、この星に移住なんてしちゃ……。この星は、この星は……。
そうか、そうだったのか。この星は星なんかじゃない。植物なのだ。
あたしは虫を溶かして養分にする、食虫植物を思い出した。
それも超巨大な、地球大の食虫植物。
養分の乏しい土地で育つ食虫植物は、昆虫をとらえて養分を補う。
広大な宇宙という場所で、滅多に餌にありつけないこの植物は、他の星の生
き物を引き寄せ、養分としていたのだ。自ら発光した光を太陽光の代わりと
し、メインの養分は生きた獲物なのだ。
男は精液だけを取り出され、肉体は消化され養分として吸収される。
女はあの緑の棘で刺され、洗脳とDNAを受け継ぐ。そして何人かが、男から
採取した性液で受精、いやこの場合は受粉か……、されると種として宇宙空
間に放出されるのだろう。
だから男女をより分ける必要があったのだ。
おそらくこの二人も、別の星からこの星に来て、あの棘で刺されて……。
そして残った女達は、この星のために働くアリとなるのだ。おそらくアリ達
には、樹液のようなものを与えているのだろう。
あたしが地球と交信するため、彼女らとアマテラスの操縦席へとやってきた
時、既に遥香さんは地球との交信を始めていた。
その肌は、気のせいなんかじゃなく、ほんのりと緑色を呈していた。
「遥香さん……」
「地球の皆さん。どうか安心してこの星へおいでください。宇宙服もボンベ
もいりません。この星には、地球よりもはるかに新鮮で美味しい空気が皆さ
んを待っています。数千年前の、まだ地球に青い海と緑の大地のあった、あ
の頃の空気です」
「だめっ、みんなっ、こんな話信じちゃダメ……」
でもあたしは彼女らに二の腕を掴まれ、その場から動けない。
そしてそんなあたしの腕に、注射のように緑の棘が迫った。
あぁ……、これであたしも洗脳されるのか。きっと遥香さんも……。
そして棘はチクリと刺さった。
もうすぐあたしもこの星の一員になるのだ。この星の、いやこの植物と共生
する、アリのような関係になるのだ。でもそんな考えももうスグ消える。
スグになんの疑いも疑問も、そして不満もなく、この星で生きていくのだ。
「ねぇ、しずく。あたしあなたのコトがずっと好きだったの……」
「えっ？ チョット、ナニ言ってるんですか遥香さん」
あたしは口を動かさない、遥香さんも動かさない。言葉は音ではなく、感覚
で脳に伝わってくる。
「あらっ、イケナイ？ 地球人はもうあたしとあなただけなのよ」
「だからって、こんな宇宙の果てで告白されても……」
「あなたは？ あなたはどう？ あたしのこと好き？ 女同士なんて嫌？
それとも誰か好きな人がいる？」
「そ、そんな矢継ぎ早に」
「ねぇ、どうなのよぉ」
「そりゃ遥香さんは、あたしの憧れでもありますし……」
「で？ それで？」
「それでって……、あたしは別に先輩でも、イイかな……、って……」
「えっ？ イイの？ ホント、ホントにイイのね」
「はい」
「ありがとう、ありがとうしずく。さすがあたしの可愛い後輩だわ」
遥香さんは、両手であたしの両手を強く握りしめた。
そしてそのままズルズルと体を寄せ、あたしに "ギュッ" と抱きついた。
だからあたしもなんとなく、彼女の背中に両手を回す。
そして密着が解かれると、遥香さんが言った。
「ねぇ、キスしていい？ いいわよね。しずく」
「えっ、キス？」
そう言って遥香さんは、両手であたしの頬を挟み込むと、唇をあたしの唇へ
とドンドン近づけてきた。
「えっ、は、遥香……、さん……」
「イイから……」
遥香さんは廊下の壁に入り口を開けると、あたしを連れ込んだ。
室内には、あの平なキノコのベッドがあった。
「は、遥香さん……」
彼女はあたしをソコへ押し倒すと、そのままあたしの覆い被さり、キスをし
てきた。その唇は暖かくて "フワッ" と柔らかい。クセになりそうな唇だっ
た。だから全身から力が抜けて、あたしは遥香さんの思い通りに、ううん、
思い通りにシテ欲しかったのかもしれない。
あたしが脚を開くと、彼女の体は下半身へと滑り降り、やがて股間に熱い吐
息と生温かな舌を感じた。
「あぁぁ～ん、遥香さぁん……」
その快感は、今まで生きてきた中で最高の快感だった。
「ねぇ、あたしのも舐めて……」
そういうと遥香さんは、 "クルリ" と体を反転させ、あたしの頭を跨いでそ
のまま腰を落とした。
あたしの唇に、ねっとりと濡れた遥香さんの下の唇が密着した。
あぁ、これも女同士のキスなのだと、あたしは初めて気がついた。
ーENDー
明日、29日（木） 言の葉 更新あります。
