2ntブログ

あなたの燃える手で

Welcome to my blog

ロザリオは赤く輝く

† 2
紫苑様は礼拝堂の中央の通路を歩いていきました。
紫苑様の後ろを歩くわたしに、甘く蕩けるような香りが仄かに漂ってきます。
礼拝堂の中はとても綺麗で、隅々まで掃除が行き渡っていました。
両側の壁にはめ込まれた3メートル以上はありそうなステンドグラスは、水の
流れや飛び立つ鳩など、色々なモチーフがあるようでした。
中でもわたしの目を引いたのは、金髪が腰まである、ビーナスのような全裸の
女性のステンドグラスでした。
それは左右の壁に1枚ずつあり、正面に向かって右側の女性は、両手を肩の高
さに挙げ、その両手には、火の灯った赤い蝋燭を持っています。両足を肩幅に
広げて佇んでいるようでした。
左側の女性は手を水平に伸ばし、脚を大きく広げています。その4本の四肢は
鎖に繋がれています。
どちらの女性も長い金髪が、美しい曲線を伴って胸と股間を隠していました。
紫苑様は祭壇の前まで歩くと、わたしに向き直りました。
その美しい顔に微笑みを湛え、赤く卑猥な唇からは、僅かに白い歯が覗いてい
ました。
「何でもおっしゃって下さい」
それはとても物静かな話し方でした。ゆっくりと控えめな女性らしい声の中
に、強い芯の通った響きを持っていました。
「あのう、わたし実は……」
「懺悔ですか?」
「はっ、はい、懺悔したいことがあります」
「そうですか。残念ながらこの教会には懺悔室という物はありません。ですが
『祈りの部屋』という物があります。懺悔はそこでなさればいいでしょう。
どうぞこちらです」
紫苑様は再びわたしの前になると、『祈りの部屋』という場所へ私わたしを導
きました。
『祈りの部屋』は、礼拝堂の左隅にある小さな小部屋でした。
ドアを開けると椅子が1つ置いてあります。
「ここはあなたの過ちを悔い改め、祈りを捧げる部屋です。そして過去の罪を
神に告白する場所でもあります」
「はい」
「中に入って、椅子に掛けてお待ち下さい」
「はい」
そう言うと紫苑様はドアを閉め、その場から立ち去ったようでした。
中は少し薄暗く、わずかにニスの匂いがしました。でも、とても心の落ち着く
不思議な空間でもありました。
椅子に座ると、目の前の壁に人の頭ほどの細かな格子があり、そこから声が聞
こえるようでした。
暫くするとその格子から紫苑様の声がしたのです。
「どうぞ、あなたの過ちを包み隠さず、神に告白するのです」

Comments 2

マロ  

うわー・・・怪しい雰囲気の教会ですね。
かなり背徳感のある展開になりそう!
んー・・・続きが待ち遠しいです。(笑)

2007/11/21 (Wed) 16:08 | EDIT | REPLY |   
蛍月  
マロさんコメントありがとうございます

やっぱり妖しい雰囲気の方がイイですよねぇ!
でも、今回の舞台となるのはこの聖堂ではないのです。
そこへはもうすぐ、紫苑が案内してくれます(笑)
(*^_^*)

もうすっかり冬ですね。
でもこの間、蝶々が飛んでいるのを見ました。
クリスマスツリーと蝶々は、さすがに・・・。 

2007/11/21 (Wed) 19:20 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

About this site
女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
About me
誠に恐縮ですが、不適切と思われるコメント・トラックバック、または商業サイトは、削除させていただくことがあります。

更新日:日・水・土