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あなたの燃える手で

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ロザリオは赤く輝く

2007・クリスマススペシャル


金曜日の夜、わたしは教会の門の前で立ち止まると、夜空を見上げました。
身を切るような風の中に、蒼く尖った三日月が輝き、その周りではいくつもの
星が瞬いて、まるでわたしの訪問を祝ってくれているように思えたのでした。
わたしは目を瞑り、胸の前で十字を切ると、冷たい鉄の門を押し開きました。


             ロザリオはく輝く


† プロローグ
この街に越してきてまだ2ヶ月のわたしは、ようやく煩雑だった部屋も片付
き、この街での生活が軌道に乗ってきたところでした。
クリスマスも近いある日、わたしは駅の案内板で、この街に教会があることを
知りました。物心ついた頃からわたしは、今は亡き母に手を引かれ、教会に通っていたのです。懐かしくその頃の思い出がよみがえり、近いうちに1度行ってみようと、その時思ったのです。

12月にしては温かく感じられるある休日の朝、私はジーンズに、白いケーブル
ニットのセーター。その上にレンガ色のダッフルコートを羽織り、案内板の記
憶を頼りに教会へと足を向けました。
その教会はこの街の住宅街を抜けた街はずれに、ひっそりと建っていました。
そこはちょっとした総合公園になっていて、日曜日には少年野球が盛んに行わ
れるグランドが3つあり、その隣は数千坪の芝の生えた広場。そしてボートに
乗れる池がありました。公園内にはまるでひび割れのように、不規則な遊歩道が設けられています。
教会はその広場の奥に、芝に囲まれるようにひっそりと建っていました。
500坪の敷地の周りは、その先端が矢じりのように尖った、黒い鉄の柵で囲ま
れていました。
昼間に訪れたその教会は、全体を白で統一されていて、急角度の屋根に立つ
白い十字架が、冷たい陽光を反射して青空に輝いていました。
神聖さを纏ったような静寂さに包まれた空気は、わたしに子供の頃の清らかな
信仰心を呼び起こしました。

そう、わたしは穢れていたのです。

ここに越してくる前、わたしはある会社に勤めていました。大学を出てから5
年程勤めた会社でした。
お酒はあまり強くないのですが、その日は同僚の結婚を祝しての飲み会でし
た。親友同然の女の子の結婚ということもあり、寿退社をしていく彼女と別れ
がたく、わたしはいつも以上にお酒が進みました。
そして朝目覚めると、わたしはホテルのベッドで寝ていたのです。

Comments 2

マロ  

お、またテンプレが変ってますね!
クリスマスバージョン?

いつも第1話は、どんな事が起こるのか、
どんな展開になるのかドキドキします。(笑)
続きが待ち遠しいです。

2007/11/17 (Sat) 10:52 | EDIT | REPLY |   
蛍月  
クリスマスバージョンです

この物語はコレでいきます(笑)
(*^_^*)

今回は導入部が少々長いかもしれません。
懲りずに、また一人称に手を出してしまいましたが、
よろしくお付き合いください。

2007/11/17 (Sat) 17:07 | EDIT | REPLY |   

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土