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あなたの燃える手で

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春を画く


どのみちあたしは吊られるんです。答えは最初から "Yes" しかないのです。

先生はあたしに赤襦袢を着せると、天井近くにある幾つもの滑車から縄を引
き下ろすと、あたしに襦袢ごと巻きつけました。
両手両足は言うに及ばず、乳房の上下にそれを挟みつけるように、腰の重心
を見ながら、太ももや二の腕にも、縄は次々に巻き付いていきます。
滑車はレールに乗っていて、適当な位置に移動させるコトができます。

「さぁ、吊るすよ」
先生が滑車の縄を手繰り寄せると、まず両手が持ち上がりました。次に腰が
浮き、スグに両足が床を離れ、体が真横を向きました。
「きゃっ、怖い……」
「大丈夫。ほらっ、もう安定したろぅ」
あたしの体重は縄の数だけ分散され、思ったより痛くもなく、またうまくバ
ランスも取れ、恐怖を軽減させています。でも辛くない、怖くもないと言え
ば、それは嘘になります。
両手は後ろ。片脚はまっすぐに横に伸ばされ、もう片脚は付け根からダラリ
と下がり、ちょうどアルファベットの "T" のような状態です。ダラリと下が
った脚のつま先は床に付いていて、その為、必要以上に揺れるコトもないの
です。
最後にレールに乗った滑車を移動させ、微調整をいているようです。滑車は
あたしの股間が大きく拡がった状態で固定されました。
初めての春画モデル……、まさかこんなコトになるなんて……。

「んん~、落ちそうで落ちない赤い木の葉のようで、イイ感じだよ、鏡空」
「せっ、先生、苦しいです」
「苦しいかい? いいんだよそれで。そうでなくちゃねぇ~。さて、蝋燭と
張り型、どっちからいこうかねぇ~?」
「えっ、先生……」
「やっぱりアソコは最後まで取っておいた方がいいかねぇ~。そうしないと
後のお楽しみが……。ねぇ、鏡空。お前はどっちがイイ?」
「どっちって……、あたしに、聞かれましても……」
「そうだよねぇ、それじゃ、好きにさせて貰おうか。ひっひっひっ……」
すると先生は白い仏壇蝋燭を手に取ったのです。

そんなものがアトリエに? と思う方もいるかもしれません。でもここは春
画のアトリエです。その状況を作るための道具は、天井の滑車も含め全て揃
っているのです。
そんなアトリエで、先生がライターで蝋燭に火をつけました。
先生は自分の持つ蝋燭の炎が、大きく育っていくのを見ています。
「さぁ、蝋もたっぷり溶けたことだし……、そろそろいこうかねぇ~」
先生はあたしの水平に伸びた脚の先へと移動しました。
「まずは指先からゆっくりと太ももまで……」
「せっ、先生……、本当に、本当に……?」
「そうさ、本当だとも。そうだ、指の間なんて効きそうだねぇ」
「いやっ、いやっ……」

先生の持つ蝋燭がゆっくりと傾いていきます。もういつ蝋が垂れてもおかし
くありません。それでも吊るされたあたしは、何もできないまま状況を見守
るしかないのです。

そして最初の一滴があたしの足の甲に……。
その瞬間が、あたしの目にはスローモーションのように映りました。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土