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あなたの燃える手で

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ダブルフェイス

2
玲と千鶴の運転する選挙カーは、選挙事務所に帰ってきた。
事務所は一階にコンビニの入った、小さなマンションの2階にあった。
少し離れた駐車場に車を止めると、二人はコンビニで缶ビールを4本と、つ
まみの缶詰を2つ。それと焼き鳥を買った。それを持って事務所への階段を
上がると、バッグの奥からから鍵を出し、ドアを開けた。
事務所は曇りガラスの衝立で仕切った応接室と、仕事をする為の事務室に分
かれている。事務室には机と椅子が二つずつと、ファイルやポスターの散ら
かったテーブル。そして窓際にテレビが設置されている。
応接室には2つのソファが、低いテーブルを挟んで置いてある。そして申し訳
程度の台所には、小さな冷蔵庫があった。
玲は応接室のテーブルにコンビニの袋を置くと、そのままソファに腰を下ろ
した。千鶴は反対のソファに座って玲と向かい合った。
二人は缶ビールを開けると、それを右手に掲げた。

「今日も1日お疲れさでした。先生」
「あなたもね、千鶴」
「先生の勝利を信じて、カンパーイ!」
「カンパ~イ」
酒は弱い玲だが、今日はビールをそのまま半分近く飲み干した。
「あっ、そうそう缶詰ね。今日の缶詰は、オイルサーディンとサバ味噌よ」
「へぇ~、今日はモツじゃないんですね、。珍しい、先生がモツを買わない
なんて……。まさか、当選するまでモツ断ちですかぁ?」
「なによ、モツ断ちって」
そしてビールを一口飲んだ。そして串に刺した焼き鳥を右手に持った。
「そんなことしなくたって、あたしはちゃんと当選してみせますよぉ~だ」
玲も焼き鳥の串を摘み上げると、それを口に運んだ。
「うん、初めて買ったけど、なかなか美味しいわよコレ」
そしてまたビールを一口飲んだ。
「先生、ペース早いです。そんなに強く無いんですから……」
「いいでしょう。これがあたしなの。大丈夫よぉ」
「もしかして、もう酔ってますぅ?」
「あらやだ。酔ってないわよ。まだビール半分じゃない。冗談じゃないわ
よ.なによこれくらいで」
そしてまた一口飲み込んだ。
「やっぱり酔ってる」
千鶴は立ち上がると、玲の隣に座った。
「もう、白鳥千鶴なんて。あなたの方がよっぽど当選しそうな名前よね」
焼き鳥の串を置くと、今度は割り箸でオイルサーディンを挟んだ。
「そんな先生、名前じゃありませんって……。それに天宮玲だっていい名前
だと思いますけど……」
千鶴がサバ味噌を口に入れる間に、玲は缶ビールを飲み干してしまった。
「またぁ、そんなこと言ってぇ」
玲は2本目の缶ビールを引き寄せると、もう一本を千鶴の前に置いた。
「あなたも飲みなさいよぉ」
「飲んでます。飲んでますよ、センセ」
ペースは早いが、2本までなら大丈夫なことを千鶴は知っている。ただ、3
本目からは補償できなかった。
「ねぇ、ちょっと千鶴。オイルサーディン開けてよぉ」
「はいはい。はい、どぉ~ぞ」
千鶴は缶詰を開けると、そのまま玲の前へと押しやった。
「あらっ、あなたは食べないのぉ?」
「いただきますよ。もちろん」
千鶴は横から缶詰に手を伸ばした。そのとき腕が玲の胸に触った。
「あぁん、千鶴ったらぁ、上手ねぇ」
「えっ、別にそんなつもりじゃ……」
「あらっ、いいのよ。わかってるでしょう」
「でも先生、今日は酔ってるし……」
「あらっ、いいのよぉ。酔ってるうちに好きにしても」
玲はジャケットを脱ぎ、シャツのポタンを外し始めた。そして前を大きくは
だけた。白い谷間が露わになり、大きな胸が張り出すと、どこか甘い香りが
漂った。
「触って欲しいんですか? 先生」
「もう、わかってるクセにぃ」
千鶴にもたれ掛かった玲は、そのまま唇を突き出してきた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土