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あなたの燃える手で

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白い魔女 6

23
雪絵は皐月に向かって静かに言った。
「一週間、長かったでしょう?」
「えっ……?」
「シタくてシタくて、堪らなかったんじゃありませんか?」
「はい?」
「外して欲しいんですよね。これで……」
雪絵はポケットから、貞操帯の鍵を出して見せた。
「あっ、その鍵は……」
「そう、今あなたが付けてる貞操帯の鍵ですよ」
「どうして……」
「こんな貞操帯さえ無ければって、何度も思ったんじゃありません?」
御堂も以前、真弓に付けられた経験がある。だから禁欲状態が解け、快感を
得られるその瞬間をどれほど待ちわびたか、痛いほどわかるのだ。
「どうして、それを……」
「だって、青山さんの担当ですから。何でも知っておかなければでしょう?
それにこれは院長からの直々の通達ですから。
そう言って雪絵は、サイドボートの上にあった一枚の紙を皐月に渡した。

皐月はそこに書かれた文章を黙読した。
それを要約するならば、この御堂雪絵はこの病院の婦長をしているベテラン
で、信頼に足る人物である。だから彼女にあなたのことを一任すると……。
そして何かの条文のように、何カ条かの約束事が書かれていた。
・何でも彼女に話し相談すること。
・彼女の言葉は、院長であるわたしの言葉であること。
・彼女に逆らうことは許されず、何でも受け入れ従うこと。
その他にもまだ数行の文章があったが、要するに婦長の言うことは何でも聞
け、という内容だった。

「いかがですか? 承諾していただけるのなら、ここにサインを……」
雪絵は紙の右下を指差した。
「あっ、はい」
当然断る理由などあるはずもない。皐月は何の抵抗もなくサインした。
「ありがとうございます」
「では、この契約書により早速」
「えっ……? 早速って……」
「治療ですよ」
「だって、院長は……?」
「いませんよ。院長は学会で、一週間帰ってきません」
「そうなんですか?」
「もし、どうしても院長の治療をお望みでしたら、貞操帯も外せませんが。
どうします?」
まさか、あと一週間も我慢できない。皐月は即決した。
「いえっ、そんなっ、いいんです。別にそんな……、あたしは……」
その時の皐月は、ただ貞操帯さえ外してもらえば……。という一心だった。
「それでは、三十分後に参りますので、それまでに荷物を整理して、着替え
を済ませておいて下さね」
「はい」
「あっ、そうそう、下着は付けずにお願いします」
「えっ、下着は付けずに? って……」
皐月は疑問を呈した顔をした。そんな皐月に雪絵が気が付いた。
「その方が早いので……。わかりますよね? この意味」
雪絵はまた、貞操帯の鍵を指先で摘んで見せた。
「院長から聞いてますよ。コレをつけた日の診察室での、で・き・ご・と」
「そうなんですか……」
「担当は何でも知ってるんですよ、青山さん」
雪絵の唇が妖艶に、そして三日月のように割れた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土