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あなたの燃える手で

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白い魔女 6

20
「言ったはずよ。禁欲の日々が始まるって」
「はい。そうですよね……」
諦めたように俯く青山皐月を、真弓は白衣のポケットの中で、貞操帯の鍵を
弄びながら見下ろしていた。



病院から帰った夜、あたしはベッドの上で悶々とした夜を迎えた。

今あたしの脳裏には、今日の院長とのコトが有り有りと蘇っている。
院長の髪、綺麗な脚。ズルズルとパンティを下ろしていく姿。アソコの色や
形、匂いさえも、まるでまだ目の前にあるかのようだ。
「クリちゃんも舐めなさい……」
そう言われて舌先を尖らせ、チロチロと小刻みに舐めた。その時のコリコリ
としたクリトリスの感触も、まだ生々しくこの舌先に残っている。
そしてその瞬間を迎えた院長が、 "ガクン" と大きく体を震わせた時、その
時のあたしの悦び……。

あぁ如月真弓。真弓。あたしはもっともっとあなたに責められたい。
シタい、あぁシタい。シタくてシタくて堪らない。そんな思いで股間に伸ば
した指先を、あなたの付けた貞操帯の分厚い革が、頑として拒絶してくる。
それでもあたしの指は未練たらしく、分厚い革の上からソコを触り続ける。
隔靴掻痒(かっかそうよう)。
突然、そんな四文字熟語を思い出した。
意味は "靴の上から痒いところを痒くような、 思い通りにならず、もどかし
いこと、核心に触れないで、はがゆいこと" 。
だったけど。今のあたしはまさに、その隔靴掻痒感で一杯だ。

あたしの手は貞操帯を離れると、パジャマ代りのTシャツを捲り上げ、両乳
房を掴んだ。乳房に食い込んでいた五本の指はすぐに親指と中指の二本にな
り、早くもシコり勃っている褐色の乳首を "チョン" と摘んだ。
「あぁぁ~ん」
ようやく得られた快感。あたしは乳首をコリコリと嬲り、クリクリと転がし
た。ギュッとつねったり、指先で往復ビンタのように小刻みに弾いてみたり
もした。
しかしそこから先が繋がらない。あたしの体に、上半身と下半身が分離した
ような、妙な感覚が広がっていく。
「あぁ邪魔だ。取りたい。なんでこんなモノを……」
貞操帯の分厚い革は金属のように固く、外からの刺激を全て無にしてしま
う。もちろん鍵がなければ脱ぐことなど夢のまた夢だ。
「触りたい触りたい。もう触らせてよ。あたしの体でしょう」
でも貞操帯は、体のカーブに沿ってにピッタリと張り付いたようになってい
て、隙間ができてもごく僅かで、とても指なんて入らない。
なんて完璧なオナニー禁止器具。あたしにはとても太刀打ちできない。

「あぁもう、ココはすっかり濡れてるのに……」
えっ? 濡れてる? 濡れてるって……。これってもしかして……、このま
ま病院に行ったら……。
あたしは自分の恥ずかしいお汁で濡れた貞操帯を拭こうとした、でも拭けな
い。だって指の入る隙間がないのだから……。
ということは、一週間後、病院でこれを外した時……。
恥ずかしい。それは恥ずかしい。だって借りたパンティに、シミを付けて返
すようなものだ。しかもそれはあたしのイヤラシイお汁。
しかも貞操帯の期間はまだ、丸々一周間あるのだ。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土