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あなたの燃える手で

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緋色の奥義

其の十八 最終話
まずは幻空が上になり、下になった無空を絶頂間際で焦らし始めた。
「ひひひっ、まだじゃ、まだ逝かさぬぞ。ほぉ~らっ、逝きたかろう。ここ
まで感じて逝きそうになっておるのだからのう。本来ならとっくに絶頂をき
わておる頃じゃ」
「だったら、だったらもう、逝かせて……、お願い」
「だめじゃ、だめじゃ。まだまだ、じっくりと嬲り回してやるわ。それっ、
それそれっ、ここをこうして、こうされると、おぉー堪らない」

そして攻守が交代し、今度は無空が幻空を責め始めた。
「さぁ、もう一回、もう一回逝かせるぞ」
「もう、もういやっ、もう逝きたくない。もう、もう……」
「しかしここを、こうされると、ほらっ、ここだここ。ほらっ、どうじゃ」
「あぁぁ~、そっ、そこはっ、あぁぁ~だめっ、また逝くぅぅぅ~」
「ほらっ、逝ったではないか。さぁ、もう一回じゃ」
「あぁだめっ、だめぇぇ~、やめてっ、やめてぇぇ~、ひぃぃぃ~」
「さて、じっくりと虐めてやるとするか」
「おお~おお~泣け泣け。ほらっ、これが堪らぬのか。さて、あと何回逝か
すかのう……ほらっ、ほらほらっ」
そして無空と幻空は、お互いの精をその腹に収めたのだった。



無空と幻空が新たな命をその腹に宿した頃。
江ノ島は黎明なる朝日に照らされていた。それは鎌倉滑川の橋の下にも差し
込み、そして同じく鎌倉八幡宮にも届いていた。
そしてそれぞれの場所で戦った二人のくノ一にも、新たな目覚めが訪れてい
たのだった。

「椿、あたしはくノ一失格だ。お前を殺すことができなかった。どこかでお
前の愛撫に溺れていたのかもしれない。だから針も急所を外した」
「それはあたしも同じさ、烏。あたしもお前の指と舌が忘れられないのさ」
そして二人は同じことを考えていた。
「あたしたち、うまくやっていけそうな……」
「そうだな。くノ一を捨て忍びを捨て、何処かで二人で暮らそう」
そして二人は何処へともなく歩き去った。後には波音だけが残っていた。

「桔梗、あんなの舌は最高だねぇ」
「あんたの舌だって最高だったよ。百舌」
「ねぇ桔梗。あたしたち、何処かで一緒に暮せないかねぇ」
「あたしも同じことを考えてたよ。もう忍びの時代は終わりさ。いつまでも
くノ一でいる意味はもうないよ。それにあんたとなら……、百舌」
「ありがとう、桔梗」
そして二人は何処へともなく歩き去った。後には潮風だけが吹いていた。

「ねぇ、お蘭、あんた忍びの里に帰るのかい?」
「あたしも今それを考えてたよ。梟。なんかこのまま終わりたくないって、
思ってたところさ」
「もしよければ一緒に暮らさないかい? 何処かで小料理屋でもやってさ」
「小料理屋かい? いいねぇ。店を閉めたら毎晩二人で……」
「もちろんさ」
「ふふふっ、好きだねぇ、あんたも」
「あんたこそ……」
二人の笑い声は、八幡宮の木々の間に消えていった。



終章
艶魔衆の住む艶魔谷。その際奥部に建つ艶魔堂。そこに三人のくノ一が呼ば
れた。彼女らを呼びつけたのは他でもない艶魔衆頭領無空だった。
そして同じ頃、淫靡谷の淫靡楼に、三人のくノ一が呼ばれていた。呼びつけ
たのは頭領の幻空だ。
そして無空と幻空は時同じくして同じことを口にしていた。


「うぬらを呼んだは他でもない。ラーマ・カイラの件じゃ。そのラーマ・カ
イラ。汝ら三人で奪って欲しい……。うぬらの忍術体術をもってすれば必ず
や奪えよう」
すると三人のくノ一の姿は、その場から掻き消えていた。



ーENDー


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土