囁く家の眠れる少女PROLOGU その涙型のガラス玉には、ダイヤモンドのようなラウンドブリリアントカットが施されていた。20センチ程の細い鎖の先にぶら下がったそれは、細い中指と親指で摘まれ、時計回りにクルクルと回転していた。やがて回転が止まると、鎖の捩れを戻すように反対に回り始めた。1 「あぁー、可愛いわぁ、あんず。あんずちゃん。どうしてそんなに可愛いの? 一目でいいからあなたに会いたい。でもね、またコンサ...