8志帆は倒れてくる奈津子に対して体を直角に向け、自分の膝の上に奈津子の上半身を受け止めた。「あっ、あたし……あたし……」「いいのよ。奈津子さん。楽にして……ねっ」奈津子の顔に志帆の顔が重なっていく。見つめ合う瞳はどちらともなく閉じられ、触れ合った唇の温度は2人の間で溶け合い、やがて一つになっていった。今や淫らな蔓は、奈津子の体を繭のように覆っていた。志帆の片手が奈津子の胸をセーターの上から優しく包んだ。...