6水密流の師範、花村志帆の気配を背中に感じ奈津子は振り向いた。「あら、どうぞお座りになって」「はい。失礼します」奈津子はダウンを畳の上に置いた。ダウンの下は白いセーターで、首元から青いシャツの襟が覗いている。大きな胸から腰にかけてのくびれたラインが際立ち、膝上のスカートから黒いパンストの脚が綺麗なラインを見せていた。奈津子が座布団に正座をすると、その前に湯気の立ちのぼる湯飲みと和菓子が置かれた。奈...