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あなたの燃える手で

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ちゃんと抱いて


翌朝、月曜日。
あたしはお母さんに頼まれて、ゴミを出しに表に出た。
何日も続いている熱帯夜のせいで、今日も朝からうだるように暑い。
今日は "燃えるゴミ" の日。
収集所は里美さんの家の近くの電信柱だ。両手にゴミ袋を下げてそこまで歩く
と、すでに10袋のゴミが山になって出されていた。
あたしは両手を振り子のように振って、ゴミの上に2つの袋を放り投げた。
袋はゴミの山を転がり、アスファルトの上に横倒しになって止まった。

「おはよう、舞ちゃん」
後から聞こえた優しい声に、あたしは振り返った。
そこにはスリムなジーンズに白いTシャツを着た里美さんが、やっぱり両手に
ゴミ袋をぶら下げて立っていた。
「おはようございます。里美さん」
「舞ちゃん、学校は?」
「もうとっくに夏休みでぇ~す」
「あっ、そうか……、あたしったら、ゴメンね」
何で里美さんが謝ったかよく判らないけど、朝から里美さんに会えるなんて、
何だか今日はイイことありそうな、そんな予感がする。
でもそう言ってニッコリ笑う里美さんの笑顔。
この笑顔があたしは大好きだ。

その日の夕方。あたしの予感は当たった。
駅まで買い物に行ったあたしが幹線道路で信号待ちをしていると、後ろから里
美さんの優しい声が聞こえた。
「まぁ~いちゃん。何やってんの? お出掛け?」
「あっ、里美さん。チョット買い物してました」
「ホントかな? デートでしょう。ワンピースなんか着ちゃって。舞ちゃん可
愛いから……。ステキな彼氏がいるんだろうなぁー」
「違いますよ。そんなんじゃ、それにあたし……、彼氏いないし」
あたしは顔の前で必死に手を振って、NOのジェスチャーをした。

それにあたし、男は……。
あたしの胸の奥で、思い出したくない扉が開きかけた。

「ねぇ、舞ちゃん。もう帰るんでしょ?」
「はい……」
「何か冷たいモノでも飲んでいかない? 奢ってア・ゲ・ル」
少し遅れて歩き出したあたしに、花のようなコロンの香りがフワリと漂った。

あたしは里美さんに誘われるまま、商店街の入口近くにある『アマデウス』と
いうカフェに入った。店内は生き返るように、それはそれは涼しかった。
あたし達はガラス越しに通りの見える、2人掛けのテーブルを選んだ。
ボーイッシュな髪型に、ミニの似合う脚の綺麗な子が注文を取りに来た。
「アイスティーとチーズケーキでいい?」
「はい……」
里美さんはメニューを見ることもなくそれだけ聞くと、アイスコーヒーとチー
ズケーキを2つずつ注文した。
それからあたし達はとりとめもない話をした。あたしは部活の話やドジな親友
の事を、里美さんは今年三十路を迎えるけど、海外赴任をしている夫は帰って
来れないらしいとか。因みに里美さんに子供はいない。
そして話はその部活の話から、あたしが夜ストレッチをしている話になった。

「ストレッチって、舞ちゃんの部屋で?」
里美さんがストローを咥えて、アイスティーを一口 "ゴクリ" と飲んだ。
「そうです」
あたしもストローを咥える。そして飲もうとした時。
「あっ、そうなんだぁ……。もしかして……、見られちゃったかしら?」
「えっ?」
思わずアイスティーを吹き出しそうになった。
ソレって、アノことだよね……?
あたしは百も承知でトボケた。だって、まさか言えないし。
それであたしは、何も知らないフリで聞き返した。
「何を? ですか」
「あたしがオナニーしてるトコロ」

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土